松平健「直虎」憧れだった信玄役 強烈な見た目で存在感発揮

[ 2017年9月24日 10:20 ]

「おんな城主 直虎」で武田信玄を演じる松平健。見た目が強烈だ(C)NHK
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 俳優の松平健(63)がNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(日曜後8・00)で自身にとって思い入れの深い戦国武将、武田信玄を熱演している。圧倒的な武力で駿河の今川を滅ぼした「甲斐の虎」。織田領や徳川領へと進撃し勢力図を塗り替え、主人公・井伊直虎(柴咲コウ)ら井伊谷の安泰を脅かす。「若いころから“信玄を演じたい”と思っていたので嬉しかった」とオファーを喜ぶ松平が、役柄への思いを語った。

◆魅力あふれる武将「強いだけじゃなく、お茶目な部分も見せた」

 代表作「暴れん坊将軍」の徳川吉宗をはじめ、これまで様々な歴史上の人物を演じてきたが武田信玄は初。「ずっとやりたかった役。信玄は凄く強くて冷酷な部分を持ち合わせているけど、自分の領民には手厚い人だったというイメージ。ただ強いだけじゃなく“やんちゃ”というか、お茶目な部分も見せたりして、自分なりの信玄をつくっています。人間性の部分で“こういう部分もあるぞ”と」と待望の役柄を楽しんでいる様子だ。

◆“時代の空気感”を重視「戦国は生死が間近に迫った大変な時代」

 大河出演は武蔵坊弁慶を演じた「義経」(2005年)以来。時代劇の登場人物に成りきる上で、松平は“時代の空気感”を大切にする。「(命を)取ったり取られたりの時代。目まぐるしいというか、生き死にが間近に迫っている大変な時代だったと思う。江戸時代は天下泰平の世ですから“のほほん”“のんびり”というような侍像ですが、戦国時代は生死を懸けた人生なので、緊張感が出るように演じています」。信玄の本願については「甲斐は山に囲まれた厳しい土地で、自分たちが生き延びるために領土を広げていかなければならない。領民にいい暮らしをさせたい、自分が世を治めて人々を幸せにさせたい。そういう気持ちがあって領土を広げようとしたのではないか」と自身の解釈を述べた。

◆剃り上げた頭に剛毛な顎ヒゲ&もみあげ「メイクは2時間以上」

 第37話(17日放送)の副題「武田が来たりて火を放つ」にあるように、今作では直虎や井伊谷にとって信玄は脅威の存在。剃り上げた頭に剛毛な眉ともみあげ、顎ヒゲをたくわえた見た目のインパクトも強烈だ。「大変なのはメイク。2時間以上かかりますが、坊主頭にヒゲというスタイルがいい」とお気に入りの様子。「出番は多くないので、短時間の中で信玄のいろいろな面を見せたいなと思いました。私が出ていないところで“武田が、武田が”と名前が出てくる。今川や井伊谷にとっては、とてつもない脅威的な存在なので、出演したときに恐ろしい雰囲気が伝わらなければいけない」と存在感の大切さを口にする。

 過去に様々な名優が演じてきたが、参考にした人物として「勝新太郎先生」と名を挙げた。勝さんは黒澤明監督の映画「影武者」(1980年)に起用されて降板。「一部分かもしれませんが“師匠ならこうやるんじゃないか?”というような気持ちはありました」と運命的な繋がりを明かした。

 史実に記されているように、戦国最強と謳われた男にも定められた宿命があり、第38話(24日放送)では信玄の衝撃的な場面が描かれる。井伊谷の命運を握る「甲斐の虎」に注目だ。

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