【ドラマ座談会】「コード・ブルー」山P胸筋にドキドキ、昭和世代うなる「張りネズミ」

[ 2017年7月23日 10:00 ]

「カンナさーん!」渡辺直美(左上)、「愛してたって、秘密はある。」」川口春奈(右上)、「コード・ブルー」出演者
Photo By スポニチ

 続々と梅雨明けが宣言されている日本列島、次々と始まった夏ドラマは、ひとまず出そろった。スポニチアネックス記者がドラマ初回を見て感想を語り合う「座談会」。この5作品、どう見た――。

 ――まずは「コード・ブルー」(フジテレビ系)から。初回の視聴率が15%超えと、苦戦続きだった“月9”復活に向け好発進。

 K記者 第1シーズンから見ていたので、素直に「コード・ブルー」が帰ってきた!と感激。主演は山下智久だけど、5人の成長が軸。7年経って成長した姿を見られるのがうれしい。

 R記者 魅力は何といっても救急医療の疾走感。医療ドラマにありがちな重苦しい医局内のシーンよりも、予算をかけてたくさんヘリを飛ばして次々に状況が入れ替わる展開は見ていて飽きない。

 Y記者 真摯に仕事に向き合うクールな山Pが男前すぎる。登場人物の抱える悩みや葛藤にリアリティーがあるというか、超人的なキャラ設定じゃないので共感できる部分が多い。

 N記者 フェローたちのハンパないゆとり感にムカつきつつ、着替えの際に見せた山Pの盛り上がった胸筋のインパクトでイライラ帳消し。

 ――「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ系)は「父親殺し」の秘密を抱え、それを暴こうとする見えない相手に追い詰められていくストーリー。

 R ミステリーというよりホラードラマとして完成度が高かったと思う。福士蒼汰と川口春奈の2人のシーンは明るく幸せそうなのに対して、鈴木保奈美演じる母親が時折不気味な言動をするたびにゾクっとした。畳みかけるように主人公を追い詰めていく終盤の緊迫感に、画面から目が離せなくなった。

 K 大きすぎる秘密を持ちながら11年も息を潜めて生活しているのに、なぜ目立つような司法実習生になったのか…ちょっと突っ込みたくはなりますが。それでも、上質なミステリーという感じ。小出恵介の役どころに注目が集まる中、代役の賀来賢人がとてもいい演技をしている印象。

 Y ラスト10分が衝撃だった。人間の犯した罪は許されるのか。「天網恢恢(かいかい)祖にして漏らさず」とつぶやいた検事正役・遠藤憲一の威圧感がすごい!

 ――「ハロー張りネズミ」(TBS系)。一風変わった探偵たちが面倒な事件に挑んでいく。

 K 瑛太演じるゴローと森田剛演じる久作のコンビがいい。劇中のドラマ「コメなき子」のくだらない小ネタに大笑い。大根氏作品っぽい演出が満載。

 Y あのコンビは確かにいい。普通のチャラけた感じと依頼された仕事への真摯な姿勢のギャップがいい。人情ものからシリアス系とさまざまな探偵依頼が来て、どの内容でも楽しめそう。

 N 昭和人情とか、「ねるとん」「あぶ刑事」「5時から男」…の小ネタ連発など牧歌的な雰囲気は、昭和の人間にとってはたまらない。はたして、平成の子たちにはどう映っているのか。

 S記者 おじさん世代には懐かしい漫画が原作。その風味が出ていたし、アクが強くなくて見やすかった。ただ“いい話”がこれといったウラもなく、普通にいい話として終わっていたのでインパクトが弱い。ストーリー的には、もっと“自己主張”してもいいと思う。

 R “ダサくてかっこいい”男たちが存分に描かれていて、さすが大根作品。ただクラシックな雰囲気が好きなのに、瑛太が電子たばこを吸ったりと、現代版リメーク要素は個人的には好きじゃない。

 ――実写化困難と言われた人気少年漫画が原作の「僕たちがやりました」(フジテレビ系)はどうだった?

 R 冒頭の、4人が全力で走って逃げているシーンは、映画「トレインスポッティング」のオマージュとしか思えない演出で、これだけで一気に引き込まれた。仲間と過ごすだけも幸せな男子高校生の日常。彼らの笑顔がすがすがしい反面、いじめの場面がグロテスクで、そのギャップの大きさが物語に厚みを持たせている。

 Y 学生時代の下らないことを全力で楽しむ日々を思い出した。そわそわドキドキする感覚や、町中で不良集団に遭遇してしまった時の心臓のバクバク感とか。

 K いじめや暴力の描写がエグすぎて目をそむけたくなった。なんともリアルというか。逃亡中の彼らの心情などが描かれるだろうから、ストーリー的にはこれからなのかな。

 ――最後は、お笑いタレントの渡辺直美が主演の「カンナさーん!」(TBS系)

 S 主人公、家族のキャラクターがある程度分かっている中盤あたりからこういう展開になるが、最初から不倫…というのは。勝負に出たなと。そこは評価できる。斉藤由貴の姑役は秀逸。好発進は味見的な要素もあったと思うので、今度どう引き付けられるか。

 R 出だしは“芸人”渡辺直美の色が濃かったけれど、途中から深刻な展開になって驚いた。コメディ要素もある母子家庭ドラマというのは斬新なので、展開が楽しみ。

 Y 要潤演じる夫のダメっぷりがすさまじい。子供の誕生日に、よりによって浮気相手と会うかな。今後、夫婦がどうなるのか気になる。

 N 渡辺直美の肝っ玉母ちゃんぶりに好感。現実世界では、タレントの泥沼離婚騒動のおどろおどろしさを連日感じているだけに、夫のゲス不倫に悩みながらも必死に前を向く主人公の姿は一層すがすがしい。

【座談会参加者】S記者=40代男性、おヨネさーん!(近所の駄菓子屋のおばちゃんです)。N記者=40代女性、おりこうさーん!。K記者=40代女性、桜井さーん!(ミスチルのライブにて)。Y記者=30代男性、夏はやりたいコトたくさーん!。R記者=20代男性、このお題、こうさーん!(降参です)。

続きを表示

2017年7月23日のニュース