麻倉未稀 乳がん手術後スピード復帰「歌える、ありがたいな」

[ 2017年7月15日 05:30 ]

復帰ライブで「HERO」を歌う麻倉未稀
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 乳がんのため左乳房を全摘出する手術を受けた歌手の麻倉未稀(56)が14日、東京・下北沢で庄野真代(62)とのジョイントライブを行った。4月に乳がんが発覚し、先月22日に手術、同30日の退院からわずか14日でのスピード復帰。「凄いうれしい」と笑顔を見せた。

 本番前のリハーサルを公開し、ヒット曲「HERO」を披露。左腕を激しく動かすことを医師に止められているためダンスはなく、しっとりとしたギター演奏のアコースティックバージョンでの歌唱。「体力はまだ半分」と言うが、パワフルな歌声は健在で「歌えるんだな、ありがたいなって」と心から喜んだ。庄野も「おめでとう」と復帰を祝福した。

 乳がんが分かったのは4月。TBSの医療番組の企画で受診した人間ドックをきっかけに、約2センチの腫瘍が2つ見つかり、ステージ2と診断された。先月22日に湘南記念病院(神奈川県鎌倉市)で4時間半を要し左乳房を切除、再建する手術を受けた。転移はなく、術後の経過も良好。この日のライブで復帰することを強く希望し、リハビリに加えて体幹も鍛えてきた。

 支えとなったのは07年に再婚した夫。全摘出するか悩んだが「命あれば主人と暮らしていける。歌えさえすればいい」と決断。術後に医師から「95%は大丈夫」と言われ「主人が一番ホッとしたと思う」と明かした。同じ乳がんで闘病していたフリーアナウンサーの小林麻央さん(享年34)にも勇気づけられ、「ブログをのぞかせていただいていた。みんなが勇気をもらったんじゃないでしょうか」と話した。

 今後も歌手活動を続ける。「体力が完全に戻るまでお時間を頂けたら。いつかソロでライブをやらせていただけたらうれしい」と力を込めた。

 ◆麻倉 未稀(あさくら・みき)本名高橋徳子。1960年(昭35)7月27日、大阪市生まれ。81年に「ミスティ・トワイライト」でデビュー。ヒット曲にドラマ「スチュワーデス物語」の主題歌「What a feeling〜フラッシュダンス」など。ミュージカル女優としても活動。1メートル60。

 ▽乳がんのステージ 0、1、2a、2b、3a、3b、3c、4の8つに分かれる。麻倉はステージ2と公表している。ステージ2aは、しこりが2センチ以下で脇の下のリンパ節への転移がある、またはしこりが2〜5センチで脇の下のリンパ節への転移がない状態。ステージ2bは、しこりが2〜5センチで脇の下のリンパ節に転移がある、またはしこりが5センチより大きく、脇の下のリンパ節に転移がない状態。2aよりやや進行した状態が2bで、治療法や生存率(5年90%以上)に大きな差はない。

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