米倉涼子 NYで「シカゴ」再演開幕、日本人女優初のカムバック

[ 2017年7月5日 05:30 ]

ブロードウェーミュージカル「シカゴ」で再び主人公ロキシーを熱演した米倉涼子
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 女優の米倉涼子(41)が主演するブロードウェーミュージカル「シカゴ」が3日(日本時間4日)、米ニューヨークのアンバサダー劇場で開幕した。5年ぶりの再演で、日本人女優が主演でブロードウェーにカムバックするのは史上初めて。共演者から「ウエルカム・ホーム!(お帰りなさい)」と歓迎され、3度目の公演にも意欲を見せた。

 独立記念日を翌日に控えてお祭り気分に沸くニューヨークの中でも、ブロードウェーの老舗劇場はひときわ熱気に包まれた。米倉は全編英語の歌と、切れのあるダンスで主人公ロキシーを熱演。前回とは違う日本語のセリフを入れた“新バージョン”に満員の1150人は拍手と大歓声。本場で目の肥えた観客から笑いも起き「反応が聞こえて背中を押してくれた。凄くうれしかった」と感激に浸った。

 ブロードウェーデビューを果たした12年7月以来、5年ぶりに同じ役で同じ舞台に戻ってきた。日本人俳優では渡辺謙(57)が「王様と私」を再演したが、日本人女優が主演でカムバックするのは初めて。前回に続き一緒にステージに立つ女優アムラ=フェイ・ライト(56)は「涼子はシカゴファミリー。戻ってきてくれてうれしい。ウエルカム・ホーム!」と大歓迎。共演者からサプライズで花束を手渡されると、目を潤ませた。

 再演に向けて英語や歌、ダンスのレッスンを重ね、6月中旬に現地入りし特訓。終演後の会見では「前回はチャレンジャーの気持ちでステージに立ったけど、今回はちゃんとやり切らなきゃいけないという緊張感でいっぱいだった。今になって感動してきました」と安どの表情を見せた。

 5年前はカーテンコールで涙ながらにあいさつしたが、今回は涙を流すのはこらえ「ナチュラルに舞台を終わらせるのが一番かなと思った」とブロードウェー女優の気概十分。5年の間には私生活で結婚、離婚を経験したこともあって、人としても一回り成長したようで「とにかく楽しめた。冷静になれたかな」と貫禄たっぷりだ。

 5月の稽古時には「(ブロードウェーは)最後かもしれない」と話していたが、この日は今後の公演について「やりたくなっちゃう。“シカゴ”は私にとって生きがいで、いつまでたってもやめたくない。刺激が凄い」とやみつき。ブロードウェーの常連としての一歩を踏み出した。

 ▽アンバサダー劇場 1921年に開場。約40あるブロードウェーの劇場の中で老舗の一つ。近年は主に「シカゴ」の上演で知られている。マンハッタン中心部にあるロックフェラーセンターから約500メートル。

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