24年前の都議選で感じた高揚感 今年はいかに

[ 2017年6月21日 09:30 ]

都議選の街頭演説で笑顔で握手に応じる小池百合子都知事
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 【小池聡の今日も手探り】1993年6月28日のスポニチ1面を飾ったのは25歳の無名の青年だった。前日27日に行われた東京都議選で、改選前の10倍の議席を獲得する大躍進を果たした日本新党。史上最年少で初当選した若者をその象徴として取り上げた。

 日本新党の候補者選考に携わった一人が、結党間もない前年92年の7月に行われた参院選で初当選した小池百合子氏。24年の時を経た今、都知事として地域政党「都民ファーストの会」をけん引、6月23日に告示される都議選(7月2日投開票)で93年の再現を狙う。

 しかし、あの頃ほどの熱気は感じられない。日本新党の候補者数は22人で、注目を集める著名人候補がいたわけでもない。対して、世間の歓心を集める「小池劇場」をプロデュースしてきた小池陣営は49人(19日現在)を公認。都議会自民党との対決姿勢を鮮明にし「改革」を演出するなど、話題性だけを見れば、今都議選の方が上回っているようにも映る。

 この空気感の差はなんだろう。世論だ。

 93年は金権政治が指摘され、国民の政治不信が頂点に達していた時代。政治改革関連法案の不成立をめぐり提出された宮沢内閣不信任案が6月18日、自民党羽田・小沢派の造反などで可決され、宮沢喜一首相は同日、衆院を解散。そうした中での都議選であった。

 「ストップ金まみれ政治」をスローガンに25歳の青年が展開していた草の根選挙を取材しながら感じていた「何かが変わる」という高揚感が思い出される。都議選翌月の総選挙の結果、自民党は下野し55年体制は崩壊。日本政治史の大事件となった。

 森友問題に始まり、加計問題で終わった感もある安倍1強政権下の通常国会。政局の動きを常にリサーチしている政府関係者はこの間、「この国の国民は本当に優しい」と口癖のように話していた。内閣支持率にそれほど影響していなかったことを評しての言葉だった。

 ところが、国会が事実上閉会した後の6月17、18日に実施された各社世論調査の内閣支持率を見てみると、

 毎日新聞 36%(マイナス10P)

 朝日新聞 41%(マイナス6P)

 読売新聞 49%(マイナス12P)

 共同通信 44・9%(マイナス10・5P)

 ※()内は前回比、P=ポイント

 加計問題で強引に幕引きを図ったとの印象を強く与え、批判が高まっているとみられる。前述の政府関係者は「一般的に国会閉会後の数字は下がる傾向にあるが、さすがにこの下げ幅は無視できない」としつつも、「それでもまだ、この数字を維持しているとも言える」と分析した。

 一方、政党別で見ると、第2党である民進党の支持率は依然低迷。有権者目線で見れば、選択肢が限られるようなこの不幸な状態はいつまで続くのだろうか。

 忖度(そんたく)政治をめぐる不透明感が拭えないまま国会は閉じられ、世論はどこへ向かうのだろうか。その後の国政選挙に大きな影響を与えることもある都議選。世論の動向を占うものになるのか注目される。

 ◆小池 聡(こいけ・さとる)1965年、東京都生まれ。89年、スポニチ入社。文化社会部所属。趣味は釣り。10数年前にデスク業務に就いた際、日帰り釣行が厳しくなった渓流でのフライフィッシングから海のルアー釣りに転向。基本は岸から気ままにターゲットを狙う「陸(おか)っぱり」。

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