あぶ刑事“定年”舘ひろし新境地 団塊世代のさえない元銀行マン

[ 2017年6月14日 05:30 ]

映画「終わった人」で夫婦役を演じる舘ひろしと黒木瞳
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 俳優の舘ひろし(67)が約40年の俳優人生で初めて、さえない男を演じる。

 来年公開の主演映画「終わった人」(監督中田秀夫)で、主人公は定年した元銀行マン。スーツは時代遅れの型で、私服もおしゃれとは程遠いコーディネート。発言も後ろ向きで、妻が体を気遣うと「ジジイ扱いするな!」と逆ギレする。いつものダンディーな舘とは真逆の役どころだ。

 昨年公開の主演映画「さらば あぶない刑事」で30年間演じた刑事を“定年”した舘は「再就職先の職場はハーレーに乗ってショットガンを撃つのとは無縁ですが、これは僕がやるべきと思った」と意気込んでいる。

 原作は内館牧子氏(68)の同名小説。定年を迎えたが、心と体は「終わった」ことに納得せず、反抗的になる男の姿をコミカルに描く。主人公と同じ団塊世代の共感を呼び、小説は15万部のベストセラーとなった。

 さえない男の初体験に舘は「このまま格好いい舘ひろしというイメージも気持ち悪いでしょ?」とジョーク。一方で、自分と同じ団塊世代に敬意を払っており「ひたすら働いてきたからこそ定年後に今後の生き方の問題に直面する。でも、この映画で未来が見えて、終わってないと思ってもらえれば」と願っている。

 妻役の黒木瞳(56)とは過去3度共演しているが、映画では初。夫婦役も初めてで「僕の中にある女優の条件を満たす数少ない一人。撮影が待ち遠しい」と本格的なクランクインを楽しみにしていた。

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