実写映画「美女と野獣」大ヒット3つの理由

[ 2017年5月16日 10:15 ]

映画「美女と野獣」の大ヒットイベントに登場した(前列左から)藤井隆、昆夏美、山崎育三郎(後列左から)横澤夏子、ジャングルポケットの斉藤慎二
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 米ディズニーの実写映画「美女と野獣」が大ヒットしている。4月21日の公開以来、週末観客動員数(興行通信社調べ)は4週連続で1位を獲得。今月14日までに動員約565万人、興行収入は約80億円に上り、100億円突破が見込まれている。ヒットの理由を探った。

 (1)オリジナルファンも満足する新たな設定

 91年公開のアニメーション版は、26年たった今でもディズニー作品の中でトップに入る人気作品の一つ。ディズニーが自ら実写映画化したため、アニメーションの世界も損なわず、登場人物の生い立ちなど背景を掘り下げ新たな設定も追加した。オリジナルのファンも楽しめる内容となり、若い女性グループやカップルだけでなく、ゴールデンウィーク中は家族連れで劇場がにぎわった。

 (2)“ハリポタ”で愛され続けてきたエマ・ワトソンのはまり役

 主人公ベルを演じた女優エマ・ワトソン(27)は、人気シリーズ「ハリー・ポッター」のヒロイン、ハーマイオニー役でデビュー。シリーズ全7作に出演し、10代から共に成長してきた同世代の女性に根強い人気を誇っている。今回演じたベルは、聡明でもっと広い世界を見ようとする自立心が強いヒロイン。エマ自身も国連機関「UN Women」の親善大使として男女平等を訴えるなど女優業以外の活動にも積極的で、配給関係者は「エマ自身のキャラクターと役柄がぴったりはまったことも大きく、さらに強い憧れをもたれている」と解説した。

 (3)ミュージカル界の実力派が結集した日本語吹き替え版

 日本語吹き替え版にはミュージカルの常連たちが勢揃い。ベル役の昆夏美、野獣役の山崎育三郎だけでなく、岩崎宏美、村井國夫らが出演し、「吹き替え版のキャストだけでもう1作品作れる豪華さ」(関係者)という本格的な仕上がり。見応えだけでなく聞き応えも十分で、英語オリジナル版と日本語版の両方を鑑賞するリピーターも多く、興行成績を押し上げている。

 魔女の呪いで野獣の姿に変えられた王子とベルのラブストーリー。魔法に掛けられるファンがまだまだ続出しそうだ。

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2017年5月16日のニュース