「きょうの健康」「趣味の園芸」NHK2番組が放送50年 信頼できる情報で支持

[ 2017年3月31日 10:00 ]

写真左は「きょうの健康」に出演する岩田まこ都、黒沢保裕両キャスター。写真右は「趣味の園芸」に出演する(左から)三上真史、柴田理恵、矢沢秀成氏(C)NHK
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 NHK・Eテレで放送される「きょうの健康」(月〜木曜後8・30)「趣味の園芸」(日曜前8・30)が4月、放送50年を迎える。半世紀にわたり番組が続いた理由などを両番組のプロデューサーに聞いた。

 日本のテレビ放送の歴史はまだ60年強。その中で50年の歴史を同局の2番組がほぼ同時に迎える。正確な放送回数の記録は残っていないものの、「きょうの健康」は1万回前後(または程度)、「趣味の園芸」も2500回以上にはなるという。

 番組がここまで続いてきた要因として「視聴者の健康情報のニーズは高まってきていると思います。いろいろな健康番組がある中で、確かな信頼できる情報に絞って伝える、これを50年間守ってきたことで一定の支持が続いたのではないかと思います」(『きょうの健康』プロデューサー・阿久津哲雄氏)、「健康とか料理と違って園芸って絶対なければいけないわけじゃないので不思議。ただ、20世紀は時代時代のニーズに応えてきたこと、21世紀はブームを発信していく、切り開いてきたことが視聴者の方の信頼につながったのかな」(『趣味の園芸』プロデューサー・土田貢司氏)と振り返った。

 50年前と今では日本の年齢構造は異なり、健康に対する意識も変わった部分が少なくない。園芸も観葉植物ブームやガーデニングブームなど何回かのブームを経て現在に至っている。「きょうの健康」では、番組開始当初の1967年は赤ちゃん、子供に関するテーマが多かった。一方で近年は生活習慣病や認知症など高齢者が日々気にかけている症状を取り扱うことが増えている。「趣味の園芸」も「昔は人と植物が対峙する構図でした。それに対して今意識してやっているのは人と植物が1対1の関係ではなくて、花があって庭があることで他の人と結びつけるアイテムとして描きたいと思っていますね」と変化を意識しているという。

 「きょうの健康」は年に150回以上、「趣味の園芸」も50回放送となると、ネタ選びでマンネリとの戦いになるのでは…?そんな質問をぶつけてみると、「マンネリ打破は大事ですね。この季節になったらこのテーマという定番はあるんです。バラだったら5月、秋になったらパンジーとか。毎年その時期には取り上げるけれど、切り口や見方を変える工夫はしています」(土田氏)、「取り上げる病気は重なることもあります。それでも予防というフェーズ、その病気になるかならないかという入口にある段階、現在治療をしている段階、大きく分けて3つあると思います。同じ病気でも異なる切り口が存在します。それと医学はすごい速さで進歩しているので、同じ病気でも取材すると何らかの新しいことがありますね」(阿久津氏)。それぞれ内容をアップデートしていく工夫が語られた。

 「きょうの健康」は放送50周年を記念して、4月3日放送回のオープニングと4月からのエンディングで番組開始当初から30年以上にわたってかけられていたテーマ曲を使用する。昨年他界した冨田勲氏が作曲した楽曲で、「懐かしんでいただけるのでは」と阿久津氏は話した。

 「趣味の園芸」も節目の記念として横浜港の見える丘公園の一角に、50thガーデン「遊ガーデン」を開設。家族が楽しめる庭が季節の変化に従って変わっていく姿を見ることができる。5月7日(日)には、遊ガーデンのある港の見える丘公園から特別番組が生放送される。

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2017年3月31日のニュース