紀信氏「高麗屋」親子孫3代襲名口上激写 異例の歌舞伎座舞台で

[ 2017年3月30日 05:30 ]

歌舞伎座の舞台上で三代襲名の口上を写真家・篠山紀信氏(右)に撮影してもらう(左から)松本金太郎、市川染五郎、松本幸四郎
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 来年1月に「親子孫3代襲名」を控える歌舞伎俳優の松本幸四郎(74)、市川染五郎(44)、松本金太郎(12)が29日、口上の写真撮影を東京・歌舞伎座で行った。幸四郎が二代目松本白鸚(はくおう)、染五郎が十代目幸四郎、金太郎が八代目染五郎を名乗る。

 口上写真は通常、スタジオで撮影されるが、歌舞伎座の舞台上で行われるのは極めて異例。さらにカメラマンは巨匠・篠山紀信氏(76)が務める豪華なものになった。

 昨年12月に襲名発表会見は行っているが、舞台の上で紋付き袴(はかま)姿のため、3人とも表情が引き締まる。幸四郎は「幸四郎最後の年。感謝の気持ちを込めたい」とファンや関係者にメッセージ。染五郎は「名前は変わっても歌舞伎役者であるのは変わりません。これまで出会った人や、先輩の教えを襲名に際してしっかり披露したい」と気合を込めた。

 金太郎は歌舞伎界でも整った顔立ちとして知られているだけに、報道陣から「美少年という評判がありますが、感想は?」との質問が出たが、金太郎は困った表情を浮かべ、1分近く沈黙。これに父の染五郎が「悪い気持ちはしないよな」と助け舟を出し、祖父の幸四郎は「息子は小さい頃から歌舞伎が大好きでしたが、孫は知的に見ている。これが将来プラスに働いてほしい」とエールを送り、高麗屋3代の絆をうかがわせた。

 撮影を担当した篠山氏は、幸四郎と50年来の仲。整髪料の広告撮影で意気投合し、幸四郎主演ミュージカル「ラ・マンチャの男」初演(69年)ポスターも撮った。今回の撮影ではライティングなども任されたが「歌舞伎座本来の照明がとても素晴らしい。小屋の雰囲気そのままに撮影しました」と話した。

 襲名披露興行は来年1月と2月の歌舞伎座公演「寿 初春大歌舞伎」「二月大歌舞伎」に始まり、全国各地で行われる。

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2017年3月30日のニュース