浅井慎平氏「ボクシングの試合のよう」81年にベリーさん撮影

[ 2017年3月20日 05:30 ]

チャック・ベリーさん死去

 ベリーさんが登場した1981年のパルコ広告ポスターを手掛けた写真家の浅井慎平さん(79)は「僕の撮影の歴史の中でも、一番鮮烈な記憶。寂しいね」と悼んだ。

 現場入りしたベリーさんは、すぐに「何枚撮る?」と聞いてきたという。必要なカットは8枚。浅井さんが少し考えて「3ロール(36枚撮りフィルム3本)」と答えると「クレイジーだ。8枚必要なら、8枚でいい」と真顔で返された。結局2人は15枚で合意。1枚撮るごとにベリーさんは「1・2・3…」とカウントし、15枚撮り終えると「フィニッシュ」とギターを下ろして部屋を出ていったという。

 浅井さんは「こっちも“上等だ”と対抗意識があったが、険悪な空気はなかった。いい緊張感があり、ボクシングの試合のようだった。忘れていたことを教わった気分。彼は被写体のプロでもあった。仕上がりも満足いくものだった」と懐かしそうに振り返った。

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2017年3月20日のニュース