チャック・ベリーさん死去 ロックの生みの親、伝説的ギタリスト

[ 2017年3月20日 05:30 ]

死去したチャック・ベリー氏(UPI=共同)
Photo By UPI=共同

 ロックンロールの生みの親の一人として知られる、米の伝説的ギタリストで歌手のチャック・ベリーさんが18日、米ミズーリ州で死去した。90歳。警察や米メディアによると、自宅で倒れているのが見つかった。共同電によると、死因は明らかになっていない。

 1926年、ミズーリ州生まれ。従来のブルースやR&Bに、エレキギターで印象的なフレーズを繰り返す「リフ」を取り入れ、のちのロックのひな型をつくった。不良性のある歌詞は、反体制の象徴というロックのイメージにつながった。

 片足を上げて腰を落とし、アヒルのように動き回る演奏スタイル「ダックウオーク」が代名詞。「ジョニー・B・グッド」「ロール・オーバー・ベートーベン」など数々の名曲が多くの歌手にカバーされ、愛された。

 のちにビートルズやローリング・ストーンズら大きな影響を受けたバンドによって、ロックは芸術の域に高められる。ビートルズのジョン・レノンさんは「ロックに別名を与えるならチャック・ベリー」と、礎を築いた功績に敬意を表している。

 黒人ゆえ幼少期から迫害を受けた影響からか、他人を信用しない変わり者としても知られた。契約は必ず現金払いを求め共演者も選んだ。87年の映画「ヘイル・ヘイル・ロックンロール」では、ストーンズのキース・リチャーズ(73)との演奏中、何度も難癖をつける様子が見られる。

 81年に初来日。02年3月には東京国際フォーラムでジェームス・ブラウンさんとジョイントコンサートを開催し、アンコールで「小便がしたい」と中座して笑いを誘うなど自由な人柄で親しまれた。

 今年、38年ぶりの新アルバムを出す予定だった。所属レコード会社は、「現時点で何も聞いていない」とした。

続きを表示

この記事のフォト

2017年3月20日のニュース