清順さん最後の出演「あなたにゐてほしい」の原将人監督「残念でならない」

[ 2017年2月22日 21:47 ]

2005年3月、「オペレッタ狸御殿」の会見に臨んだ鈴木清順氏
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 鈴木清順さんが特別出演した2015年公開の映画「あなたにゐてほしい」の監督・原将人氏(66)は訃報を受け、「おそらく清順さん最後の出演作。残念でならない」と肩を落とした。

 奇才ぶりを敬愛し、親交を深めてきた大先輩に出演依頼し、撮影が行われたのは「7、8年前」。鈴木さんは、酸素ボンベをかついでロケ地の九州まで新幹線で来てくれた。本番ではボンベを外し、子どもらを指揮する音楽の先生役を熱演。「音楽好きだけに喜々として演じられ、一発OKでした」と振り返った。

 撮影中には、「これで飲めよ」と“カンパ”もしてくれる気風の良さで、共演者らを喜ばせた。また撮影後には、室町時代の歌謡集「閑吟集」の「一期は夢よ ただ狂え」(人生は所詮、幻のようなものだ。我を忘れて何かに興じよ、の意)を、自身の年代に置き替えた「八十期は夢よ ただ狂え」と記したサイン色紙をくれたという。

 原氏が約5年前に自宅を訪ねた際は、「若い奥様と再婚されて幸せそうで、お元気だった。誰かがサポートすれば監督もできそうだと思った」と回想。「清順流ミュージカルをもう1本見たかった」と死を悼んでいた。

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2017年2月22日のニュース