映画監督の鈴木清順氏が死去 93歳 「ツィゴイネルワイゼン」「殺しの烙印」

[ 2017年2月22日 14:48 ]

2005年3月、「オペレッタ狸御殿」の会見に臨んだ鈴木清順氏
Photo By スポニチ

 「ツィゴイネルワイゼン」「オペレッタ狸御殿」などで知られた映画監督の鈴木清順氏(すずき・せいじゅん、本名・鈴木清太郎=すずき・せいたろう)が13日午後7時32分、慢性閉塞性肺疾患のため東京都内の病院で亡くなった。93歳。東京都出身。葬儀・告別式は故人の遺志により近親者のみで執り行われた。喪主は妻・崇子(たかこ)さん。

 1923年(大12)生まれ。48年に松竹入り、54年に日活に移籍し、56年「港の乾杯 勝利をわが手に」で監督デビュー。赤木圭一郎主演の「素っ裸の年齢」、小林旭主演「関東無宿」、渡哲也主演「東京流れ者」、高橋英樹主演「けんかえれじい」など独特の色彩感覚を生かした作品で人気を集めた。のちにカルト的な人気となった67年「殺しの烙印」を最後に「分からない映画ばかり撮る」と日活を解雇されたが、71年に裁判の末に和解。77年「悲恋物語」で監督業に復帰した。

 80年「ツィゴイネルワイゼン」が国内外で高く評価され、ベルリン国際映画祭で審査員特別賞に輝いたほか、日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞などを受賞。その後、「陽炎座」「夢二」などを発表し、第58回カンヌ国際映画祭で栄誉上映特別作品として招待された2005年の「オペレッタ狸御殿」が遺作となった。90年紫綬褒章。

 白ひげ、白髪の仙人のような風貌で、俳優としてもテレビや映画に多数出演した。

 実弟は元NHKアナウンサーの鈴木健二氏。

続きを表示

2017年2月22日のニュース