松ケン「役者で名人位」主演男優賞!「聖の青春」で天才棋士熱演

[ 2017年1月26日 05:30 ]

「聖の青春」で伝説の棋士・村山聖を演じ主演男優賞を受賞した松山ケンイチ
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 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画記者で構成)が選ぶ第59回ブルーリボン賞(16年度)の各賞が25日、決定した。主演男優賞は「聖の青春」の松山ケンイチ(31)、主演女優賞は「後妻業の女」の大竹しのぶ(59)が受賞。庵野秀明総監督(56)、樋口真嗣監督(51)の「シン・ゴジラ」が作品賞に選ばれた。

 松山はブルーリボン賞初受賞。「凄く光栄に思っています」と喜ぶと同時に「インタビューの面白さも選考対象と聞いたので、去年の(主演男優賞受賞者の)大泉洋さんに負けないように授賞式を頑張りたい」とちゃめっ気たっぷりに話した。

 「聖の青春」で演じたのは、98年にぼうこうがんのため29歳で亡くなった天才棋士の村山聖(さとし)さん。将棋の最高峰・名人位を目指して奮闘した役に自身を重ね「役者で名人位に近いのは映画の賞レース。そこにいかなきゃいけないという気持ちは演じる時に持っていた」と振り返る。

 賞にこだわる背景には、人知れず苦悩した時期があった。11年に女優の小雪(40)と結婚し3児の父となり「子供ができて、映画よりもっと凄いエンターテインメントが現れたので、気持ちや時間の使い方が変化して、どう仕事に向き合うかずっと悩んでいた。自分は役者として死んだんじゃないかという思いもありました」と吐露。そんな時に原作のノンフィクション小説にほれ込み、「役者として思い切り叫びたい」と思ったのが「聖の青春」だった。東京将棋会館に通い、村山さんになりきるため最大で26キロ増量するなど精神・肉体両面で役作り。この作品でトンネルを脱し「やっとフラットな状態で仕事に向き合えている」と晴れやかな表情を見せた。

 役者としての名人を目指すには「まず人間としてどうあるべきか、どう命を使うか。一歩一歩考えながらやること」と力を込める。小雪とは仕事の話はせず、受賞も知らせていない。「僕のことを俳優ではなく長男だと思ってると思います。記事を見て知ると思いますが、スルーされたら“もっとちゃんと見てよ”って言います」。公私の充実が笑顔に表れていた。

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