「森のくまさん」歌詞勝手に改変…訳詞者 販売中止&慰謝料請求

[ 2017年1月19日 05:46 ]

パーマ大佐
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 童謡「森のくまさん」の日本語歌詞を勝手に改変したとして、訳詞者の大阪府・馬場祥弘氏(72)が18日、太田プロ所属のピン芸人でウクレレを使った歌ネタを得意とするパーマ大佐(23)と販売元のユニバーサルミュージック(東京)にCD・DVDの販売中止やインターネット上の動画削除、慰謝料300万円を求める通知書を送った。

 問題となっているのは、昨年12月発売のパーマ大佐のCDに収録された「森のくまさん」。「ひとりぼっちの私を 強く抱きしめた熊」などと歌詞が追加され、歌詞カードには訳詞者として馬場氏の名を記載した。

 馬場氏の代理人・三木秀夫弁護士によると、昨年11月ごろ日本音楽著作権協会(JASRAC)を介し、ユニバーサル社側から「歌詞の加筆承諾を得たい」と連絡を受けたが馬場氏は断った。その後、12月に「許可を頂いた」としてCDのサンプルが届けられたという。

 歌詞の著作権はJASRACに属するが、改変には著作者の承諾が必要となる。過去にも、馬場氏はCMなどで歌詞を変更して使用したいとの申請を受けたことがあったが、三木氏によると、「変更内容を確認し、納得すれば同意文書を交わしてきた」という。今回は「先方との直接のやりとりはなく、それらの手続きも全くなされないままCDが届き、驚いた」といい、著作人格権の侵害を主張した。

 また歌詞カードには歌詞の改変者に関する記載がなく、「改変後の詞も馬場氏が作ったと誤解を生むような表記はおかしい。馬場氏も自分の詞とは情感に反すると話していた」と指摘。通知書到着後2週間以内に対応がみられない場合は、差し止め請求や刑事告訴など法的措置を取る構えだ。

 ユニバーサル社広報は「適切な手続きを踏まえ発売している」と述べ、書面未着の現時点では「これ以上のコメントは差し控える」とした。太田プロ広報部も「手続きはレコード会社に委ねている」としている。

 ▽パーマ大佐版「森のくまさん」 日本語歌詞の世界観をパーマ大佐が独自に解釈し、新たな歌詞とメロディーを挿入。「森のくまさん」では、2番の歌詞でくまさんがお嬢さんに「お逃げなさい」と言いながら、3番では後からついてくるが、パーマ大佐は「お嬢さんには人に言えない過去があり逃亡している」「くまさんは愛するお嬢さんの身代わりになる」などのエピソードを盛り込んでいる。

◆パーマ大佐版「森のくまさん」歌詞

ある日 森の中 熊さんに 出会った 花咲く森の道 熊さんに 出会った

ひとりぼっちの私を強く抱きしめた熊 初めての温(ぬく)もり 体中に染み込んで 心地良くて流す涙 だけど私はダメな子 人に言えない過去がある

色んな事に手を出した 犯罪・ギャンブル・膨らむ借金 私今追われている だからあなたの邪魔になる 「そんな君の過去どうでもいい」と奪われた唇 初めてお嬢さん心開いた

そこにやってきた警察

熊さんの 言うことにゃ お嬢さん お逃げなさい スタコラサッサッサのサ スタコラサッサッサのサ

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