歴代担当記者が見たSMAP ファンをひきつけたガラスの関係

[ 2016年12月27日 07:40 ]

 フジテレビ「SMAP×SMAP」の最終回が26日放送された。ジャニーズ事務所の担当としてSMAPを取材してきた本紙の歴代記者が、5人がそろう最後の姿に感じた思いとは。

 【現静岡支局長・山崎智彦】SMAPは何もかも異例の存在だった。先輩の光GENJIまでは、メンバーはグループ単位での活動だけでソロの選択肢は少なかった。ところが、SMAPはグループとして芽が出なかったことから、メンバーのそれぞれの個性を前面に打ち出して“バラ売り”する形で成功した。

 タブー視されていたことに果敢に挑戦したことも印象的だ。94年に中居と香取が、バラエティー番組「笑っていいとも!」のレギュラーになった時は取材する側にも衝撃だった。アイドルが笑いを取るなんてことは考えられない時代だった。

 96年には人気絶頂の木村が口紅のCMに出演。97年には草なぎも生理用品のCMで話題を呼んだ。女性向けの商品をアイドルがPRすることも常識破りだった。男女の垣根も越えていったことでスーパーグループとなっていった。これは今年1月に退社した女性マネジャーの“プロデュース力”によるもの。

 メンバーが顔を合わせる仕事はスマスマと年1回の全国ツアーの2つだけ。メンバー同士で世間話をするような間柄でもなかった。これまで解散危機も何度かあったが、地方都市ツアーで5人で酒を酌み交わすことで危機を乗り越えたことがあった。

 スーパーグループは仲良し集団ではなく、どこかガラスの関係だった。そんな微妙な緊張感にもマスコミやファンがひかれていったと思う。 (90〜03年担当)

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2016年12月27日のニュース