「真田丸」堺雅人「10%現場」の精密演技「三谷氏は厳しい」スピンオフ熱望?

[ 2016年12月4日 07:00 ]

大河ドラマ「真田丸」で真田幸村を演じる堺雅人(C)NHK
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 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)も、今月18日放送の最終回まで残すところ、あと3回。主演を務める俳優の堺雅人(43)は1年2カ月に及んだ撮影を振り返り、序盤は三谷幸喜氏(55)の手掛けた脚本を重視しすぎるあまり「頭でっかちになっていた」と告白。三谷氏からは「10%現場の空気に合わせて」と独特のアドバイスを受けていたことを明かし、その厳しさを実感した。また、クランクアップ直後ながら「明日にでもスピンオフをやりたいくらい」と“芝居の虫”ぶりを示した。

 昨年9月1日にスタートした撮影も、10月27日にクランクアップ。1年2カ月にわたって重責を担い続けた堺は「長い旅行から帰ってきたような気分」と心境を表現。「旅で例えるならば、前回(の大河ドラマ、2008年『篤姫』)と前々回(04年『新選組!』)は途中で降りましたが、今回は最後までご一緒することになりました。(過去2作と比較して)変わらないと言えば変わらないし、長かったというだけかもしれないです」としながらも「やはり長い旅でしか見せてもらえない何かがありましたね。何一つ、自分のペースがつかめなかった1年2カ月でしたが、それはすごく楽しかったですね」と充実の表情を浮かべた。

 今回は「一字一句なるべく三谷さんの脚本通りに演じたかったんです」と“脚本重視”のスタンスで撮影に臨んだ。しかし、その姿勢を貫くあまり「撮影の前半は頭でっかちになっていた」と振り返る。「一字一句、きれいに、脚本通りにやるのがいいと思っていたんですが、現場はそうじゃない方がいい場合もあります。例えば、部屋の中で話すシーンを、廊下を歩きながら話すシーンにしてほしいというような現場の要請もあるわけです。自分としては脚本に『部屋』と書いている以上、許す限りは部屋の中で話したいと思い、テキスト重視でいこうと考えていたんです」

 すると、時々メールで連絡を取り合っていた三谷氏から「もう10%ぐらい現場の空気に合わせてやってみたら?」とアドバイスを送られた。

 「『10%』という数字が実に三谷さんらしいですよね。普通は『もっと好きにやってくださいよ』と言うと思います」と笑いながら「(野球に例えると)『“球半個分”ボールにしろ』みたいな感じですよね。『10%好きにやってください』という、その力の抜き方が実に難しかったです。そこが三谷さんの厳しさ。僕は、三谷さんは厳しい人だと思います。現場の空気になるというのは、役者としては楽なんです。極端な話、セリフを変えればいいわけですから。脚本はこうなっていても、現場でそういう気持ちになったからセリフを変えたいと。ただ、僕は今回、それはしたくなくて。監督が設定を変えたいという時も、なるべくそうじゃない道はないかとサジェスチョンさせていただきました」。精密機器のような芝居に挑み、脚本と現場の狭間で最善の道を進んだ。

 1年2カ月もの長旅を終えたばかりにもかかわらず「休みたい?」という質問には「全然やりたいです」と即答。スピンオフにも乗り気(?)だった。

 「(信繁が幽閉された)九度山編スピンオフでもやりたいです。セットも使い回せるじゃないですか。衣装もそのまま残っているし。全然やりたい。何でもやりますよ。あそこもやり切ってないんだよな、上杉の人質生活スピンオフ。全5話ぐらい。(上杉景勝役の)遠藤(憲一)さんの都合が付けばですけどね。(景勝の重臣)直江兼続(村上新悟)も、もっと見てみたいしね。明日にでもやりたいくらい」と根っからの“芝居の虫”は笑った。

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