受信料値下げ見送り決定 籾井会長再任に影響も NHK経営委員会

[ 2016年11月22日 21:16 ]

 NHKの最高意思決定機関である経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)が22日、籾井勝人会長ら執行部が提案した、来年10月からの月額50円程度の受信料値下げについて、見送りを決めたことが関係者への取材で分かった。経営委は会長の任命権を持つだけに、来年1月に任期満了を迎える籾井会長の再任にも影響を及ぼしそうだ。

 委員会後に取材に応じた石原委員長は「値下げは中長期的に考えないといけない」と述べた。NHKは現行の受信料を基に、年明けにも2017年度予算を編成する。

 関係者によると、執行部は前回8日の経営委に値下げ案を提示。経営委員の間では、スーパーハイビジョンや番組のネット同時配信に向けた設備投資などに備え、現段階での実施に反対する意見が大勢を占めていた。

 籾井会長は、経営委に先立って22日開かれた参院総務委員会で、東京・渋谷の放送センター建て替えに必要な1700億円を確保できる見通しとなったことを挙げ、さらなる積み立ては不要と主張。「視聴者に余剰の資金をお返しすべきだ」と改めて訴えていた。

 一方、同委員会で石原経営委員長は、現段階の値下げにこだわらず「NHKの公共的な使命をしっかりと果たすため、番組の充実など必要なものにお金に充てる還元の仕方もある」と述べ、双方の意見の違いが鮮明になっていた。

 受信料は現在、地上契約で月額1260円(口座・クレジット払い)。12年に最大で月額120円引き下げられた。

続きを表示

2016年11月22日のニュース