古舘伊知郎“プロのしゃべり”で心わしづかみ 紅白総合司会の候補にも

[ 2016年11月7日 09:15 ]

歌舞伎座スペシャルナイトに出演し笑顔を見せる歌舞伎俳優の尾上菊之助(左)とフリーアナウンサー古舘伊知郎

 今年3月にテレビ朝日「報道ステーション」を卒業し、バラエティー番組に引っ張りだこのフリーアナウンサー・古舘伊知郎(61)。自身を「しゃべり屋」と定義する“プロのしゃべり”が国際映画祭も盛り上げた。

 10月27日に東京・歌舞伎座で行われた第29回東京国際映画祭の関連イベント「歌舞伎座スペシャルナイト」に出演。1928年製作の無声映画「血煙高田の馬場」の活動弁士を務めた。開演前からエンジン全開で、歌舞伎座正面で写真撮影に臨んだ際には「こうやって頭を垂れてると、湾岸署から大麻騒動で出てきた芸能人みたい」と時事ネタを絡めて古舘節をさく裂。映画上映前のトークイベントでは、ステージから客席を見渡し、着物姿の女性客に向かって「三田寛子さんもお見えになってる。いろいろ大変でしたね。あ、違う方ですか」といじって会場を沸かせた。

 「血煙高田の馬場」は、赤穂事件を描いた「忠臣蔵」のスピンオフともいえる作品。のちの赤穂浪士の一人、中山(堀部)安兵衛が主人公だ。古舘は「フィリピンのドゥテルテ大統領」などホットなワードをちりばめながら、赤穂事件の様々な見方や説を展開。約40分間しゃべり倒し、洋画の字幕に話が逸れた際には「俺は英語ができないから字幕を目で追ってる。ある時、開眼したんです。“俺は(翻訳家の)戸田奈津子に笑い、戸田奈津子に泣かされている”と」と語って笑いを誘った。

 本編は約6分で、主人公が疾走する場面で「これはドーピングをやってる!医療大麻もやってる可能性もある!」と絶叫。得意のスポーツ実況のような臨場感とアドリブ満載の活弁に、観客から盛大な拍手が送られた。

 「映画」「歌舞伎座」「古舘」という“異種格闘技”のような異色のイベント。何の装飾もないステージで、800人を超える観客の心をつかむしゃべりには圧倒されるばかりだった。年末に向けて、特番出演などさらに出演が増えるとみられる。NHK紅白歌合戦の総合司会の候補にも挙がっており、ますます古舘から目が離せない。

続きを表示

2016年11月7日のニュース