あのマグロ社長 どん底時代を支えた“30円ラーメン”

[ 2016年11月4日 03:56 ]

築地の初競りで、青森県大間産クロマグロを1億5540万円で競り落とし、自ら解体する木村清社長(2013年1月5日撮影)

 寿司屋チェーン「すしざんまい」の木村清社長(64)が、4日放送のTBS「有吉ジャポン」の新企画「社長のどん底飯」に登場。下積み時代を振り返り、思い出の“どん底飯”を味わった。

 2001年、築地に「すしざんまい本店」をオープン、日本初の24時間年中無休の寿司屋として注目され、現在、全国に50店舗を展開し、年商260億円。質のいいマグロを安価で提供するため、社長自ら世界各国に足を運んでいる。

 千葉県野田市に生まれた木村社長だが、家の借金のため、高校進学をあきらめて15歳で航空自衛隊に入隊。「でも、事故で目を悪くしちゃってね。ジェットファイターになる夢をあきらめて、退官させてもらった」。それから苦学して大学進学、さらに司法試験を受ける費用を稼ぐために百科事典の訪問販売のアルバイトをしていた。1日600件訪問するも「まったく売れず、家にも帰れない」。そんな日々を支えてくれたのが「くみあいラーメンね。1食30円でね。安いでしょ。1日3食お世話になった」。

 番組で調べると、「くみあい一番」というインスタントの袋めんで、地元・野田市の農協で以前販売していたもの。それを今回特別に再現してもらい、社長に手渡すと「懐かしいなぁ。しょうゆ味で、おいしいんだ」と目を細め、自宅から鍋を持ってきて調理。市場の手伝いでタダでもらっていたというキャベツの外側の硬い葉をちぎり入れ、柔らかくなるまで煮込んでから、乾めんと、硬くなった握り飯を投入。米は実家からの仕送りで、まとめて炊いておいたもの。「ラーメンリゾット高級版。野菜もあるでよ」とキャベツを箸でつまんで見せる社長。「おいしいよ。当時のままだ。おいしい」と、懐かしのラーメンをすすり、しみじみと味わった。

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2016年11月4日のニュース