東京五輪の開会式はこのメンバーで?!素晴らしいチームワークに脱帽

[ 2016年10月26日 10:00 ]

五輪キックオフイベントに登場した(左から)蜷川実花氏、鈴木亮平、宮本亜門氏、市川海老蔵
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 【川田一美津の何を今さら】先日、都内のホテルで開催された「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」の文化イベント「The Land of the Rising Sun」を観た。同フォーラムは、2020年東京オリンピック・パラリンピックなどに向けた国際会議。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らも見守る中、歌舞伎の市川海老蔵、俳優の鈴木亮平、ソプラノ歌手の森麻季らが素晴らしいステージを展開した。

 「日本文化の多様性をアピールする絶好の機会」。演出の宮本亜門の言葉通り、我が国の創造から現代まで歴史と伝統を様々なパフォーマンスで彩ったエンターテインメント。まずは海老蔵が海の英雄スサノオになって歌舞伎舞踊を披露。江戸時代では、映像による華やかな花火、ジャパニーズ・マーシャルアーツとして柔道、剣道も紹介された。最後にはバーチャルアイドルの初音ミクまで登場するサービスぶり。得意の英語でナビゲーター役を務めた鈴木亮平の熱演もあり、会場の外国人ゲストから割れんばかりの拍手と歓声。一般に公開されなかったのが本当に残念だった。

 オリンピックは、もちろん、アスリートたちが主役だが、同時に開会式は全世界から注目される一大イベント。ちなみに今夏のリオ五輪のオープニングの演出を務めたのは、ブラジルを代表する映画監督のフェルナンド・メイレス。当然、次の東京五輪開会式の演出を誰が手がけるかは、大いに気になるところ。すでに大物映画監督、プロデューサーを含め何人もの名前が取りざたされているが、今回のショーを観て宮本亜門が一番の適任ではないかと考える。

 その理由はいくつもある。まずは、彼がミュージカルからダンス、そしてオペラ、歌舞伎まであらゆる舞台芸術に精通していることだ。開会式は新国立競技場での国を挙げてのスペシャルなショー。巨大な舞台で繰り広げられるライブパフォーマンスだ。全体を俯瞰する大胆さも必要だが、数多くの登場人物の細かい動きからステージ上の効果的な配置まできちんと目配せできる繊細さも重要。何を今さらだが、舞台の本場ブロードウェーでも活躍した亜門ならそれが出来るはずだ。

 もう一つは、出演するアーティストたちとの密接なコミュニケーションだ。「The Land~」を観て感じたのは、チームの一体感、結束力の強さだ。いつの間にか客席に言葉を超えた“勢い”が伝わってきた。どんな仕事でも大きなことを成し遂げるためには、チームワークが大切。それこそ今回のショーが一度限りではもったいない。このメンバーをもう一度2020年の大舞台で観たいと思った人は少なくないだろう。そして、次はぜひ世界中の人に楽しんでもらえればいい。奥深い日本の魅力とともに。(専門委員)

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2016年10月26日のニュース