米倉涼子“自己不満足”が燃料「何も極めてない 人の100倍頑張らなきゃ」

[ 2016年10月18日 10:01 ]

笑顔でインタビューに応じる米倉涼子
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 主演ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」で視聴率女優の地位を不動のものにした米倉涼子(41)。求められる格好いい米倉涼子像を誰よりもシビアに追求し、アップグレードさせることをやめない力の源とは――。

 8月、「ドクターX」の初回オープニング場面の撮影で、米ニューヨークの街中を歩いた時の心境は新鮮だった。ブルックリン橋が見える石畳の道、マンハッタンの摩天楼を望むイーストリバー沿い――。4年前、「シカゴ」の主演でブロードウェーデビューするまでの1カ月以上、英語とダンスの特訓をした街に仕事で再び戻り、成長した自分を見つけた。

 「昔はニューヨークって大嫌いだったんです。自分にもエネルギーがないと耐えられない街。でも、あそこで頑張れた自分がいるなと思えて、ホームではないけど、そこが好きってやっと思えるようになりました」

 この人たちに負けてたまるもんか――。「シカゴ」にほれ込み、世界中からダンサーが集まるミュージカルの本場に単身で飛び込むエネルギーの源は、負けず嫌いな性格。向かってくるものが大きければ大きいほど燃えるタイプで、その原点は幼少期に培われた。

 「4歳の頃からクラシックバレエをやっていて、主役を獲るためには頑張らなきゃいけないという世界が当たり前だったから、無意識に染みついた性格なのかな。その時の“主役を獲りたい”っていう気持ちは今でも覚えています。やるんだったら勝ち取りたい」

 ブロードウェーも、一度限りの夢の大舞台にするつもりはない。英語のブラッシュアップに余念がなく、時間の許す限り、毎日のように家庭教師に教わるなど英会話のレッスンを継続している。

 「全然踊ってないし、年は取っていくし、人の100倍頑張らなきゃいけない」

 女優生活16年。今も夢中の真っただ中にいる。

 「視聴率が悪いと言われたり、いいことばっかりじゃなかったけど、やりたいことがあるのは幸せ。一生懸命頑張った作品を“見たよ”って言われるのがうれしいです」

 周囲が評する米倉は、気遣いの人。次々と高い目標を設定するのは、多くの人の力で輝く「米倉涼子」の看板を一身に背負い、期待に応えようと懸命だからでもある。「私はまだ何も極めてないので、これからだと思っています」と語る顔は、謙遜ではなく真剣そのもの。現状に満足しない“自己不満足”が米倉磨きの燃料だ。自身が求める理想の米倉涼子は、永遠に完成しそうにない。

 ◆米倉 涼子(よねくら・りょうこ)1975年(昭50)8月1日、神奈川県出身の41歳。92年の全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。ファッション誌「CanCam」のモデルなどを経て、99年に女優への転向を宣言。00年にTBS「恋の神様」で女優デビュー。主な出演ドラマは日テレ「35歳の高校生」、テレ朝「家政婦は見た!」シリーズなど。06年に「黒革の手帖」で舞台初挑戦。「シカゴ」は08年に日本版で初主演。1メートル68。血液型B。

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