吉田鋼太郎「彩の国シェイクスピア」2代目芸術監督就任 蜷川さん遺志継ぐ

[ 2016年10月15日 11:38 ]

「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2代目芸術監督に就任し、会見に臨んだ吉田鋼太郎
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 俳優で演出家の吉田鋼太郎(57)が15日、都内で記者会見を行い、「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の2代目芸術監督に就任することを発表した。同企画の初代芸術監督は、1998年のスタート以来、今年5月に死去した演出家の蜷川幸雄さん(享年80)が務めていた。

 蜷川さんの遺志を継ぐこととなった吉田は「ここに座っていると、蜷川さんの喪失感を強く感じる。寂しい気持ちはあるが、蜷川さんの遺志を受け継いでいかなければいけないと思っている。蜷川さんから受け継いだ血と、僕の血を融合させて演出をしていきたい」と意気込みを語った。

 後継者に選ばれた理由については「蜷川さんとは気が合うんですよね。ここ5年くらいは自由にやらせていただき、晩年は人の前で褒めてくださるようになった。父のように思っていたので、その気持ちが伝わったのかもしれない」と自己分析した。

 蜷川さんの長女で、写真家で映画監督の蜷川実花さん(43)は「父がライフワークとして取り組んでいたので、父も喜んでいると思います」とコメントを寄せた。

 吉田は同シリーズには第13弾「タイタス・アンドロニカス」に主演で登場して以来、計12作品に出演。生前の蜷川さんから厚い信頼を得ており、今回の監督就任はシリーズ完結へ向けて“最高のキャスティング”と言える。

 日本の公共劇場としては初めてとなる、シェイクスピア戯曲全37作品の完全上演を目指してスタートした同シリーズ。これまでに32作品を上演しており、34万人を超える観客を動員。国内外で高い評価を集めており、過去8作品で海外から招聘を受けるなどしている。

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