藤圭子さん「伝説」よみがえる 70年渋公コンサート6枚組CDに

[ 2016年9月14日 06:30 ]

CDボックス「藤圭子劇場」のパッケージ

 宇多田ヒカル(33)の母親で、2013年8月に亡くなった歌手、藤圭子さん(享年62)の伝説のコンサートがよみがえる。

 70年代に開催した4公演が初めてCD化される。70~80年にLP盤で発売されたものをリマスタリング(高音質処理化)したもの。タイトルは「藤圭子劇場」で通信販売限定の6枚組ボックスで10月17日に発売される。

 70年に東京・渋谷公会堂で行ったデビュー1周年記念公演はファンの間で「伝説のコンサート」と呼ばれている。藤さんは「圭子の夢は夜ひらく」など持ち歌2曲を歌ったほか、高峰秀子さんの「銀座カンカン娘」や水原弘さんの「黒い花びら」など18曲をカバーしたが、緊張からか青江三奈さんの「池袋の夜」の歌詞を間違えた一幕があった。

 藤さんの担当ディレクターだった榎本襄(じょう)氏(76)は「僕の記憶ではこのステージが一番良かった。声も一番よく出ていたし声質も魅力的でした」と振り返る。「藤圭子劇場」ではこのコンサートのほか79年12月に東京・新宿コマ劇場で開催した引退公演などが収録される。

 10年11月にベスト盤のCDボックスを発売した際、発売元のソニーミュージックには「ライブ盤も出してほしい」との要望が多数寄せられた。

 音質処理にこだわり、構想から5年を要したボックスには、写真やコンサートのトーク内容などを収めた152ページのブックレットを同封。1969年11月10日付の本紙の記事と写真も掲載される。デビュー曲「新宿の女」の宣伝で、東京・新宿の喫茶店やキャバレーなどで25時間かけ“流し”を行った「新宿25時間キャンペーン」を特集したもので、新宿の街を背景にした藤さんの姿が印象的だ。ファンにはお宝のボックスになりそうだ。

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