“一般人”強調していた高知東生被告 実は欠如していた一般常識

[ 2016年8月22日 08:30 ]

保釈され目にうっすら涙を浮かべる高知東生被告

 閑静な住宅街に建つデザイナーズハウスの前に何度か帰宅を待ったが、結局会うことはできなかった。覚せい剤取締法違反罪などで起訴された元俳優の高知東生被告だ。

 芸能界は昨年6月に引退していた。今年5月、引退後の生活を取材するために、横浜の元町で開店したエステ店を訪れた。オープン初日で店の中は真新しく、エステティシャンたちもやる気に満ちていた。高知被告は「もうおれは一般人だから。こんな一般のおっさんの取材に来てくれて、ほんとありがとう」と一般人であることを何度も強調していたのが印象的だった。

 この時は気さくな人だと感じたが、逮捕後の取材で違う横顔が見えてきた。近所の人からは「捕まる少し前にすれ違ったことがあって黙礼したんですが、向こうは目も合わさなかった」という声が聞こえてきた。高知被告が一般人を強調していたのとは裏腹に、一般社会での日常的なあいさつさえしていなかったようだ。

 近年、表と裏の顔を持つようになってしまったのだろうか。

 遅咲きながら20代後半の俳優デビューにつながったのは、地道に人脈を築いてきたからといわれる。高知被告を昔から知る俳優仲間は「苦労も多かった人だから、とても後輩の面倒見が良かった」と話している。

 エステ店での取材ではこんなことも言っていた。「これまでやんちゃばかりしてきたので、これからは人の役に立つことをしたい。死ぬときに1つでもいいから善行が多くなって死にたいよね」。

 元妻の女優高島礼子ら周りの人への裏切りは計り知れない。一般社会において自分はどういうことをしてしまったのか。一般人の常識とはどういうことなのか。こうしたことを考えることから更生は始まっていくと思える。

 初公判は約2週間後の8月31日。何を語るのか注目したい。

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2016年8月22日のニュース