小池氏“鉄板ネタ”で女心がっちり 終盤は増田陣営から情報提供する議員も

[ 2016年8月3日 09:45 ]

支援者に感謝の弁を述べる小池百合子氏

 女性初の都知事になった小池百合子氏の選挙戦最終日。最後のあいさつを終えた陣営の豊島区議は「歴史が変わるぞ!」と叫んだ。東京・池袋に集まった聴衆は約5000人。サッカーW杯の日本戦後の渋谷スクランブル交差点のような異様な熱気に包まれて、小池氏も「こんな池袋の光景は見たことがない」と圧倒されていた。

 小池氏の言葉を借りれば、終盤の街頭演説はどこに行っても「祭り」だった。緑色のものを聴衆に身につけてもらう作戦が奏功。緑のボンボンや「I am YURIKO」と書かれたボードを掲げる“ゆりこ親衛隊”が増えていった。しかも小池氏と同じ年代の女性たちがアイドルの追っかけのように大声援を飛ばした。

 陣営の豊島区議は「男は立場を守るために縦社会を大事にする。対象的に女性は横のつながりが重要で、聴衆の間で仲間意識が強くなっていった」と分析。街頭演説で目にするキュウリ、ズッキーニ、冬瓜…。冷蔵庫の余り野菜を持ってくる主婦をいじる光景は聴衆の笑いを誘う小池氏の“鉄板ネタ”になった。

 対立する増田寛也陣営についた自民区議の間からは終盤戦に入り「もうダメだ」とあきらめる声が漏れ伝わってきた。都議会関係者によると、都連の締め付けに反発し、影で小池陣営に親族以外のボランティアを派遣したり、情報提供する議員もいた。

 「厚化粧」発言をした石原慎太郎氏の舌禍に加え、女心をとらえたことも支持につながった。(記者コラム)

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2016年8月3日のニュース