サンド伊達「IPPON」初参戦で新境地「お笑いの世界は難しい」

[ 2016年6月10日 09:00 ]

「IPPONグランプリ」に初参戦する「サンドウィッチマン」の伊達みきお

 お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきお(41)が大喜利の祭典、第15回「IPPONグランプリ」(フジテレビ、11日後9・00)に初参戦する。コントや漫才で確固たる地位を築き上げたが、大喜利は新境地。いまだ「この世界は難しい」とお笑いの厳しさを実感しながら「いろいろ挑戦してみたいと思います」とチャレンジ精神で立ち向かう。

 2007年「M―1グランプリ」優勝、09年「キングオブコント」2位のキャリアが示す通り、サンドウィッチマンに大喜利のイメージはあまりない。伊達自身も出演オファーの際に「正直、それほど大喜利はやっていないので、大丈夫かなぁと。大喜利は言葉のセンスの闘い。僕らはあまりそういうネタもやっていないし、どちらかと言えば『IPPONグランプリ』に出るなら(相方の)富澤かな」と不安が頭をよぎったようだ。

 それでも、収録本番は「もう、その場で乗り切ろうと。そこで浮かんでくるものが一番おもしろいはず。出たとこ勝負です」と自然体で臨んだ。

 伊達が入ったのはAブロック。バカリズム(40)ネプチューンの堀内健(46)博多華丸・大吉の博多大吉(45)麒麟の川島明(37)と激戦を繰り広げた。長文の回答を出すプレーヤーもいる中、伊達は「長い方がいいのかなと思いながらも(長文の回答は)全く浮かばなかったです。一言で落とす方が好きですね」とワンセンテンスの答えで独特のセンスを披露。収録後には、大会チェアマンを務めるダウンタウン・松本人志(52)からも「(場を)不思議な空気にするな」と“褒め言葉”を掛けられた。

 今までは「出ると思って見ていなかった」番組だが、実体験し「自分がおもしろいと思う回答を出して、お客さんや審査側、みんながおもしろいと思うかどうか。要するに芸人としての根本を試されている。そのことに挑んでいるというのが楽しかったです。ロケの仕事も好きですが、今回は『芸人の仕事をしているなぁ』という感じはしました」と充実した時間になった。

 オープニングで「漫才やコントのネタは(相方の)富澤が書いているんですが『オレもおもしろいんだよ』ということを明らかにしたい」と意気込んだが、今回の「IPPONグランプリ」は、その好例に。そして、伊達の“異才”が発揮されるのが、コンビの単独ライブ。伊達が作るネタが1本、入ることがある。

 「アドリブコントなんですが、アンケートで『要らない』と言われたり、お客さんの賛否が激しいんです。何回か挫折して『もう、やらない』と言ったこともあるんですが、根強いファンもいまして。富澤のネタはだいたい7~8分、長くても10分。僕のネタだけ30分ぐらいあるので、お客さんに僕のネタだと分かってしまうんです。独りよがりだとか言われることもあるんですが、富澤も付き合ってくれるし、僕はライブの一番いいコーナーだと思っています。ただ長いから、みんな、トイレに言っちゃうんですよね」と笑う。今年のライブツアーは8月7日の大阪公演を皮切りに、全国10都市を回る。今年は伊達のネタがあるのか、楽しみは尽きない。

 敗者復活枠からの「M―1」優勝から早9年目。コントや漫才はもちろん、フジテレビ「バイキング」(月~金曜前11・55)の「日本全国地引き網クッキング」のロケなど、確固たるポジションを獲得したが、今後の活動について聞くと「いろいろ挑戦してみたいと思います。今回の『IPPONグランプリ』も新境地だったので」とチャレンジ精神は忘れない。

 「何か難しいですね、この世界って」。最後にポツリと漏らした言葉が印象的だった。「今を維持するのが大変なので」。サンドウィッチマンをして、そう言わしめる過酷なお笑いの世界。「今を維持しながら、もっと得意なものを探して、何とか闘っていきたいと思います」

 【IPPONグランプリ】2009年12月に深夜枠でスタート。第5回(11年6月)から「土曜プレミアム」枠、年2回放送が定着。今回、第15回大会を迎える。「お台場笑おう会」から招待された10人の芸人がA・Bブロック5人ずつに分かれ、さまざまなお題に回答。Aブロックの審査はBブロックの芸人が行う。採点ボタンは1人2個。5人全員が2個のボタンを押し、合計10点満点になると「一本」。各ブロック4問(1問につき制限時間7分)出題され、一本の数を競う。両ブロックの一本最多獲得者が決勝(審査は残る芸人8人、16点満点)で激突。「芸人大喜利王」を決める。

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