花總まり 咲いた“大輪のハナ”さらなる高み見据え、娘役から良き女へ

[ 2016年5月10日 12:50 ]

菊田一夫演劇賞の大賞に輝いた花總まり

カットイン 花總まり(上)

 さらなる高みを見据えている。夏の舞台ではまた新たな姿を見せてくれるはずだ。宝塚歌劇団を退団して10年。花總まり(43)が「娘」から「女」へとまぶしく進化を続けている。「恋人は舞台」と笑みを浮かべながら「映画に出てみたい」と色気も見せる。次の“ステージ”も楽しみだ。

 「娘役トップ」と言っても、ファンが思い浮かべる顔はそれぞれだろうが、この人の実績には誰もが一目置く。102年の歴史を誇る宝塚歌劇団でも最長12年3カ月もの間、てっぺんに君臨。愛称の「ハナ」だけでなく「女帝」とも呼ばれた。

 06年に惜しまれながら退団。潔く表舞台から身を引いたが、周囲の声に引っ張り出される形で4年後カムバック。2年前に現事務所に入って弾みがついた。「自分の生きる道を見つめ直すことができた上で切った再スタート」と腹を決めての復帰だけにキャリアにあぐらをかくことはしない。そんな姿勢がさっそく大輪のハナを咲かせた。

 41回目を数えた菊田一夫演劇賞で大賞を贈られた。ミュージカル「エリザベート」の演技が高く評価されての栄誉だ。少しぐらい自慢してもいいと思うが、「本当に大きな賞。恐れ多くて…」と目の前で恐縮している。

 森繁久弥、長谷川一夫、森光子、山田五十鈴、京マチ子、三木のり平…。演劇史に大きな足跡を残した歴代受賞者を見れば確かにビビってしまう。ましてや最年少受賞とあれば、戸惑う気持ちも分からないでもない。

 「そうそうたる方たち。そんな中に私が入ってしまっていいのかと正直思います。まだまだ修業が足りないというか、もっともっとたくさんの舞台を踏んで、いろんな経験をして、それでやっと頂ける賞じゃないかと思ってましたので」

 謙虚な言葉を連ねたが、昨年夏に東京・帝国劇場で演じた「エリザベート」のタイトルロールは圧巻だった。20年前、宝塚初演の舞台でも演じた縁深き役だが、男役が演じる「死(トート)」ではなく、ハプスブルク家の皇后を主役にした東宝版で水を得た。目を奪う美しさと気高さ。そして歌のうまさ。総立ちの拍手はしばしやまなかった。

 来月28日から帝劇で再演される。受賞御礼だ。

 「プレッシャーもありますが、気負うことなくもう一度見つめ直して、去年よりもっと自然にエリザベート自身の奥深さを表現できるようにしたいと思います」

 どんな舞台でも公演中はストイックに徹する。共演者やスタッフから食事に誘われても断るのだそうだ。「体調を崩すのが怖いんです。“今日はちょっと疲れてる”“声が出にくいな”…そんな中で公演を迎えるのが嫌なので、どこにも行かずに家に帰る。整体に行ったり、メンテナンスは別ですけど。長丁場ですから、体調を万全に保つのもお仕事です」

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