「真田丸」新解釈の豊臣秀次 幸福と悲劇のギャップ鮮明に

[ 2016年5月7日 08:45 ]

「真田丸」で豊臣秀次役を務める新納慎也(C)NHK

 一時は豊臣秀吉の後継者となりながら、悲劇的な最期を迎えた豊臣秀次。俳優の堺雅人(42)が主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)では、今までにない秀次像になるという。

 秀次は、4月17日に放送された第15回で初登場。人懐っこく明るいものの、ちょっぴりおバカなお坊ちゃまそのものだった。演じる新納慎也(41)は「歴史を知る方はこの後何が起こるかよくご存じでしょう。そのうえでの秀次像です」とギャップを強調する。

 今が幸せだからこそ、不幸になった時により悲しい。初登場時にもその片鱗は見えていた。秀吉も含め一族そろってイモを食べる和やかなシーンで、有働由美子アナのトーンを抑えたナレーションが冷たく響いた。「やがてこの中の1人は別の1人によって切腹に追い込まれ、この少年(小早川秀秋)は自分のしたことの罪の重さにさいなまれ、21歳の若さで謎の死を遂げる」。オンエアを見た新納は「ナレーションが入ることであんな残酷なシーンになると思わなくて。仕上がったものにぞくっとしたんですけど、それが豊臣家なんでしょうね」と感心したという。

 ネタバレになってしまうため秀次の最期について詳細は明かせないというものの「今までドラマ化も映画化も小説化もされていないような秀次事件。時代考証の方にも、現代の解釈ではおそらくこれが一番真実に近い、合点がいくとおっしゃっていただきました」と自信を見せる。

 単に秀吉が残虐だとか、あるいは秀次が無能だから粛清されたとか、そういった単純な話ではなく、「全然違うんです、だから悲しいんです」と強調。これまでにない描かれ方であるだけに「賛否両論起こってしまうんじゃないかとは思うんですね。歴史に詳しい方は『おいおい、違うじゃないか』って思うかもしれないですけど。納得される方は納得されるでしょうし。『じゃあ歴史が変わって来るんじゃない?』ってことにもなりかねないなと思いますね」と話した。

 屋敷陽太郎チーフ・プロデューサーは「秀次の描き方は(これまで)薄幸な人というイメージですよね。でも今回はとても明るく人懐っこい人として描いています。逆にその方が最期不幸になった時切ないということなんだと思います」と今回の秀次に込めた意図を説明する。曲者ぞろいの豊臣勢の中でも存在感を放つ秀次。この先、物語の重要な役割を担うことになる。

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2016年5月7日のニュース