西川ヘレン “おしどり夫婦”の危機 一睡もせず、きよしの背中さすった夜

[ 2016年4月24日 13:00 ]

着物姿で笑顔を見せる西川ヘレン

西川ヘレン「大人の魅力」(上)

 しっかり者で大家族を仕切り、夫を立てて自らもバリバリ働く。いつも和装で古風に見えるが、その歩みは最先端を行く現代女性そのものだった。タレント・西川ヘレン(69)。結婚生活50周年を前に、夫・西川きよし(69)を襲った病魔や義母の死。きよしの完全復活へ向けた戦いを語った。

 完全復活への秘密兵器になりそうだ。ヘレンによれば、きよしは前立腺腫瘍摘出手術の際、喉へ麻酔の管を入れたため声が少しかすれてしまった。退院後、元の声を取り戻そうとリースしたのがカラオケ機器。当初はヘレン、孫らしか使わなかったが、現在はカラオケ大会が連日西川家で催される。「最初は蚊の鳴くような声だったけど、おなかに力も入るようになり、声も出るようになりました」。復調を誰よりも喜んでいる。

 上方芸能界の“おしどり夫婦”で知られる。ヘレンは半世紀前、吉本新喜劇で関西弁をしゃべりまくるハーフのマドンナで人気だった。売れない芸人との結婚は1967年9月21日、周囲や吉本興業の反対を押し切った。お互い18歳から交際し、高熱で倒れたヘレンをきよしが自宅へ運び、家族で看病したことがきっかけ。挙式は今宮戎神社だった。その前年、きよしは故横山やすしさんとコンビを組んだばかり。ヘレンは家庭に入り実母、きよしの両親、3人の子供、そして弟子も含め大家族をまとめた。きよしの3期18年の参院議員生活も支えた。

 芸能界の第一線で働いた責任感からだろう。「お仕事を頂き(病気で)抜けるというのは大変なご迷惑をおかけします」。2人で年1、2回の健康チェック。そのルーティンが夫の危機を救った。

 男性に多い前立腺肥大症。年齢とともに罹患(りかん)率は高まる。きよしも4、5年前から頻尿になり夜、何度もトイレに立った。隣で寝るヘレンは必ず目が覚め「万が一、脳梗塞や心筋梗塞とかで倒れたら」と付き添った。夫婦で不眠の日が続いた昨春、きよしの前立腺検査の数値上昇が判明した。

 どんなに熱があっても体調が悪くても「しんどい」「痛い」と決して口にしなかったきよし。ヘレンの説得もあり、昨秋に受けた精密検査(生体組織診断)では「こんな痛いことさせて」。泣き言を漏らし、夜中は一睡もできず背中をさすった。腫瘍が見つかった。

 ◆西川 ヘレン 1946年(昭21)10月6日、京都市出身。子供はタレント・西川忠志(48)、元俳優・西川弘志さん(46)、タレント・西川かの子(41)の2男1女。父が米国人、母が日本人。高校中退してシャンソン歌手、ミュージカル女優を目指して吉本興業へ。その後、ヘレン杉本の名前で吉本新喜劇のマドンナ女優として活躍した。

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