関テレ中継車 熊本のGS長蛇の列に割り込み給油

[ 2016年4月19日 05:30 ]

ガソリン給油のため渋滞する車の列

 熊本、大分両県を中心に相次いでいる地震の取材をしていた関西テレビ(大阪市)の中継車が給油待ちの車列に割り込んだとして、同局は18日、ホームページにおわびを掲載した。17日午前7時45分ごろ、取材現場の熊本県益城町に向かう途中、同県菊陽町のガソリンスタンド(GS)で割り込んだという。

 同局広報担当者によると、中継車には社員2人と運転手ら委託先のスタッフ3人の計5人の男性が乗車。交差点を左折した後、GSまで並んでいた車10台の後ろにつけたが、車列は交差点を越えてさらに先まで続いていた。担当者は「車列が続いていることは分かっていた」と意図的に割り込んだことを認めた。

 同局によると、車で並んでいた女性から割り込みの指摘を受け、車内の1人が「申し訳ありません」と頭を下げたが、そのまま給油したという。

 この模様を、現場にいた人物がツイッターに写真付きで投稿。17日午後に同局職員が発見し、問題が発覚した。中継車は益城町内の福祉センターで午前8時から生中継があり、系列各局の取材素材を送る業務にも追われていた。また、ガソリン残量も少なく、中継など、当日業務に差し障りが出る状態だった。災害取材の際は、給油は夜間に行うとする内規があるが、前日深夜まで稼働しており、給油できなかったという。同局が現場に派遣していた中継車はこの1台だけだった。

 同局は「被災地の皆さまが多大な労力を割いておられる中で、あってはならない行為」と謝罪。夕方のニュース番組でも男性アナウンサーが頭を下げた。女性からの同局への苦情は届いていないという。中継車に乗車していた5人は現在、熊本を離れ帰阪中。同局はさらに社内調査を進める。

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2016年4月19日のニュース