四代目猫八さん死去…進行胃がんも「仕事全うしたい」と入院拒否

[ 2016年4月1日 06:07 ]

胃がんのため66歳で亡くなった江戸家猫八さん

 動物の鳴きまね名人として知られた演芸家の江戸家猫八(えどや・ねこはち、本名岡田八郎=おかだ・はちろう)さんが21日午後6時22分、進行胃がんのため川崎市内の病院で死去した。66歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻シゲ子さん。後日、お別れの会を開く予定。

 長女でマネジャーの真由美さん(41)によると、猫八さんは1月初旬に激しいせきがあるとして病院で診察を受けたところ、最も末期の段階「ステージ4」の胃がんと診断された。医師は抗がん剤での入院治療を提案したが、猫八さんは「仕事を全うしたい」と拒否。通院しながら1月20日まで舞台に立ち、最後の仕事は2月16日、テレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜正午)の収録で長男の江戸家小猫(38)と出演した。

 1月に病院に行くまで周囲に体調不良を訴えたことがなかった。2月に沖縄・西表島で行われたフルマラソンに出走するため、昨年夏ごろからハードな練習をしていた。このため、真由美さんによると、本人は体重が減ったことを練習によるものと考えて不審に思っていなかったという。

 「徹子の部屋」では笑顔でウグイスのまねなどを披露し、闘病には触れなかった。家族には「この収録までは頑張る」と話していたという。3月8日の放送は家族そろって自宅のテレビで見たが、翌9日、腹水がたまるなどして入院。21日にシゲ子さん、真由美さん、小猫にみとられ亡くなった。「小猫が仕事を頑張っているのがとてもうれしい」と愛息を褒めたのが最後の会話となった。

 01年に亡くなった父の三代目江戸家猫八さんとの親子掛け合いで茶の間の人気者に。指笛などを使った声帯模写の巧みさと、気品ある芸風で愛された。

 ◆江戸家 猫八(えどや・ねこはち)1949年(昭24)11月30日、東京都生まれ。三代目猫八の長男として出生。父の芸に憧れ声帯模写の道を志す。68年に三代目猫八に入門し、初代江戸家小猫を襲名。72年に落語協会に入会し、寄席に出始める。日本テレビ「笑点」など演芸番組のほか79年のNHK連続テレビ小説「マー姉ちゃん」や73年の映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」などにも出演。テレビの司会やナレーションも務めた。

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