七之助 米ボストン所蔵の浮世絵展に感激「土下座したいくらい」

[ 2016年3月18日 14:35 ]

浮世絵展「俺たちの国芳 わたしの国貞」の内覧会を訪れた中村七之助

 歌舞伎俳優の中村七之助(32)が18日、オフィシャルサポーターを務める浮世絵展「俺たちの国芳 わたしの国貞」(19日~6月5日、東京・渋谷Bunkamuraザ・ミュージアム)の内覧会を訪れた。

 米ボストン美術館が所蔵する浮世絵約1万4000点の中から、幕末に人気を誇った兄弟弟子の歌川国芳、歌川国貞の作品170件(約350点)を出展。七之助は「浮世絵は庶民のもので、漫画っぽいものも多く日本人のバカバカしさやシャレ、粋が凝縮されている。歌舞伎と同じで、難しそう、勉強と思わず日本人の核を揺さぶる作品が多いので、遊園地に行く気分で楽しんでほしい」とアピールした。

 特に、歌舞伎の楽屋を描いた「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図(おどりけいようがくやのず おどりけいようにかいいりのず)」は「父(故中村勘三郎さん)がつくった平成中村座の楽屋と一緒。現代の奇抜なファッションが普通に見えるくらい、感性に満ちあふれている。床山や刀掛け同じで伝わってくるものがある」とお気に入りの様子。自身が描いてもらうとしたら、という質問には「女形なので、美人画が得意だった国貞に、櫓のお七(やぐらのおしち)の僕バージョンを何枚か続きで描いてほしい」と夢をはせた。

 今年1月にはボストンを訪れ、修復作業を見学。「日本の芸術が海外にあるのは悔しい気持ちもあったけれど、たった1人でやられていて日本人より日本の文化に愛がある方で涙が出てきた。土下座したいくらい。江戸の息遣いに異国の情熱も入っているので、日本人なら見るべきです」と感慨深げに話していた。

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2016年3月18日のニュース