「真田丸」視聴者満足の理由に「スピード感」本能寺の変など最小限

[ 2016年3月5日 10:00 ]

NHK大河ドラマ「真田丸」の主演を務める堺雅人

 初回視聴率19・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、前回の第8話でも17・1%を記録しているNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)。「コメディー要素が強い」「現代語が多く軽い」など、人気番組の宿命なのかさまざまな指摘が多いのも事実。視聴者どのような視点で番組を見ているのだろうか。

 データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)によると、「真田丸」の第8回までの平均満足度は3・85(5段階評価)と、高満足度の基準3・7を上回っている。

 これは今期の民放プライム帯ドラマと並べると3位(1位はフジテレビ「お義父さんと呼ばせて」、2位は同「ナオミとカナコ」、2月の集計)の数値で、13年「八重の桜」、14年「軍師官兵衛」、15年「花燃ゆ」の初回から8回までの平均よりも高い、過去最高ペースの高満足度推移となっている。

 理由の1つに、スピーディーな展開で視聴者の心をつかんでいる点にあるだろう。通常の連続ドラマもそうだが、1年にわたって放送される大河ドラマは物語に入り込むのに時間がかかる傾向にある。だが「真田丸」は初回満足度3・78から第2回で3・96と急上昇。視聴者の回答からも「展開がスピーディーで面白い」(74歳・女性)「話のテンポが良くて見ていて楽しい」(52歳・女性)「スピード感を感じて、とても面白い。」(71歳・女性)と展開の早さを指摘する声が圧倒的だ。

 前3作品と比較しても「八重の桜」は第26回、「軍師官兵衛」は第13回で初めて満足度3・9以上を超えており「花燃ゆ」は一度も3・9を超えることはなかった。じっくり描いた結果、話が盛り上がってきた頃には視聴者が離れつつあるという状況に陥っていたのかもしれない。

 本編を振り返ると、第4話の終盤であっという間に描かれた「本能寺の変」からも分かるように、あくまでも真田家を視点としており、真田家が知らない事実は最小限に描かれる展開が潔く、スピーディーに感じられる。1年という長丁場の中で、スピード感がありながら、丁寧に描くべきところは丁寧に、盛り上がる場面ではたっぷりと見せ場をつくれるか…。しばらくは目が離せない。

続きを表示

2016年3月5日のニュース