松ケン「全身全霊かけても足りない」増量で臨んだ夭折の棋士役

[ 2016年2月25日 11:04 ]

村山聖九段が本拠地にした大阪・福島の関西将棋会館で映画「聖の青春」の撮影をした松山ケンイチ

 俳優の松山ケンイチ(30)が映画「聖(さとし)の青春」(監督森義隆、今秋公開)のロケを大阪・福島の関西将棋会館で行った。同会館は羽生善治名人(45)のライバルで、1998年に29歳でぼうこうがんのため亡くなった映画の主人公・村山聖九段の本拠地。ロケは福島県会津若松市の旅館以外に今回、同会館の御上段の間、生前毎日のように通って焼き魚定食を注文した同会館近くの更科食堂でも撮影された。

 幼少期から腎ネフローゼを患い、むくんだ村山九段を演じるため増量して臨んだ松山。「(増量によって)村山さんの歩き方、指し方になる。精神も体の大きさとリンクして、形だけじゃなく内面も追い付いていくように撮りながら感じた」と森監督。原作ノンフィクションを読み「全身全霊をかけても足りない役」と、映画化と村山九段役を熱望してきた松山の意欲が実りつつある。

 3月13、14日には同会館から直線距離7キロ足らずの兵庫・尼崎の都ホテルニューアルカイックで羽生が郷田真隆王将(44)に挑む第65期王将戦7番勝負第5局(本社主催)がある。現在2勝2敗と佳境の大舞台に村山九段が7大タイトル戦で唯一、立ったのが93年だった。当時の谷川浩司王将に挑んだが体調不良が響き、0勝4敗で屈した。公開へ向けて、ロケ地の将棋熱も盛り上がってきた。

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2016年2月25日のニュース