「R―1ぐらんぷり」今回はロゴ変更 女性目線で“柔”にイメチェン

[ 2016年2月23日 10:00 ]

今回からの「R―1ぐらんぷり」の新ロゴ「マイクくん(仮)」(左)。前回までの「ピンちゃん」から“かわいい”イメージに(C)カンテレ

 1人話芸日本一決定戦「R―1ぐらんぷり2016」(決勝3月6日)のロゴが今大会から変更になった。漫才などで使われるサンパチマイクをモチーフにしたご当地キャラクター風の「マイクくん(仮)」で、指をモチーフにした金色と黒ベースの「ピンちゃん」の男っぽい「剛」から、かわいらしい「柔」のイメージに。決勝のスタジオセットも前回大会(15年)からピンク色を基調にしたものに変わった。2002年のスタートから14回目を迎える老舗コンテスト番組。制作のカンテレ・水戸徹プロデューサーに「変わるR―1」について聞いた。

 芸人がしのぎを削るお笑いバトル。従来は「戦いの場」という男らしいイメージで番組作りをしていたが、前回大会、担当ディレクターが女性に変わった。「かわいくしません?かわいくても戦えますよ」と提案され、水戸プロデューサーにはピンと来るものがあった。

 漫才日本一決定戦「M―1グランプリ」は2010年にいったん終了(昨年復活)。コント日本一決定戦「キングオブコント」は08年スタートで、最も歴史があるのは「R―1」になった。「大会を続ける責任感の中で、守らないといけないものも、もちろんありますが、いつまでも同じで変わらないいうことは時代とのギャップが出てきます」。09年からはゴールデンタイムに放送され「子どもたちが見る時間帯。子どもにくっついてくるのはお母さん。女性を取り込まないといけないと言われていたんですが、お母さんたちと『戦いの場』というイメージが、なかなかうまくリンクしませんでした」。何か変わらないといけない――。そう感じていた時のイメチェン提案。水戸プロデューサーは「本当にタイミングがよかったですね」と振り返った。

 決勝のスタジオセットをピンク色を基調にしたものに変更。「楽しく戦いを見てください」というイメージに変えた。反応は上々。「やさしい感じになったね、と。今まで女性目線が入らなかったのは反省しているところです」。

 前回のセットに続き、今回はロゴを変更した。女性ディレクターとデザイナーが話し合い、1人芸を競う「R―1」のイメージにマイクが一番合致。ご当地キャラクターのように「かわいい」ものを目指して出来上がった。

 「10年目ぐらいまでは、ギスギスした芸人さんの戦いでした。いい方は悪いかもしれませんが『こいつを倒す!』というような。それが、ここ最近は特に、戦いが終わると、みんな仲がいい。負けた人みんなで優勝者に『おめでとう』と。ピン芸人は事務所関係なく横のつながりがあって、出場者の一体感をものすごく感じていました。そういう雰囲気の中で『みんなで楽しく』というイメージも取り込もうということになりました」

 イメチェン以外にも、前回は「復活ステージ」と称する敗者復活戦を決勝当日に開催。40人の中から3人が決勝に進んだ。「R―1」は漫才と異なり、小道具や音源のチェックなど、リハーサルが必要。40人のうち、誰が決勝に行き、2回ネタを披露してもいいように、スタッフは80個のネタをチェックした。大変な労力だったが、復活ステージ2位のマツモトクラブ(39)が準優勝。原石を発掘し「やりがいはあったと思います」。

 老舗コンテストに安住しない「R―1ぐらんぷり」。25日午後7時からは東京・ラフォーレミュージアム六本木、大阪・なんばグランド花月で準決勝。42人が決勝進出9人を目指して火花を散らす。

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2016年2月23日のニュース