岩井監督、“弟子”行定監督活躍にしっと!?「一番なってほしくなかった」

[ 2016年2月11日 19:26 ]

トークショーを行った行定勲監督(左)と岩井俊二監督

 岩井俊二(53)、行定勲(47)両監督が11日、スペシャルトークショーを東京・アップルストア銀座で行った。岩井監督の最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」の3月26日公開、行定監督の「ピンクとグレー」のヒットを記念しての開催で、行定監督は岩井監督の「Love Letter」などで助監督を務めており、師弟のコラボレーションが実現した。

 行定監督は1992年のドラマ「GHOST SOUP」で岩井監督の下に付いた際、「打ち上げで助監督がいっぱいいる中で、“君はいつか監督になるんだからさ”とこっそり言われた言葉がすごく支えになっている」という。対する岩井監督は、「一番監督になってほしくない右腕だった。特にキャスティングの才能が抜群で、行定がいなくなってからが大変でけっこう苦労した」と話し、笑わせた。

 それでも監督として実績を積んでいる弟子を頼もしげに見つめ、「非常に作家性の強い男だから、うまくやれるか心配だったが、うまく自分のテーストとエンターテインメントを合わせてやっていると思う」と評価。途中で物語を“反転”させる試みが成功し、興収5億円を突破した「ピンクとグレー」についても、「思った通りじゃんとなった次の瞬間に、えっ、何が起きたのって感じで、今まで見たことがない映画。ずっと不在の主人公を探し続けている流れが彼の中に脈々とあって、『ピンクとグレー』がひとつの到達点。先輩として感無量」と称えた。

 一方、行定監督は先日、助監督を務めた「スワロウテイル」(1996)がテレビ放送されたのを21歳の娘と見て、「娘がちょっと出ている俺を見つけて、“パパ、すごい”って喜んだんです。今まで監督としてさんざん名前が出ているのにですよ。色あせない岩井美学というものを見られた気がする」と師匠の影響力を強調。「リップヴァンウィンクルの花嫁」も既に2回見たそうで、「スクリーンからはみ出すくらいの圧を感じるほどの、さく裂する映像の力がやけに心地よい。もうマジックですね」と感心しきりだった。

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2016年2月11日のニュース