お笑い芸人がドラマで重宝されるワケ “間”を読める柔軟な感覚

[ 2016年1月28日 11:01 ]

「わたしを離さないで」に出演するアジアンの馬場園梓(C)TBS
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 お笑い芸人の連続ドラマ出演が今クールも相次いでいる。漫才やコントが下地になり、本業顔負けの演技力を発揮。芸人が役者として重宝される理由を探った。

 古くは明石家さんま(60)がTBS「男女7人夏物語」(1986年)「男女7人秋物語」(87年)で一世を風靡。昨年10月クールのTBS「下町ロケット」は今田耕司(49)今野浩喜(37)バカリズム(40)が活躍した。
 
 この1月期もTBS「ダメな私に恋してください」(火曜後10・00)に安田大サーカス・クロちゃん(39)、日本テレビ「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」(水曜後10・00)にTKO・木本武宏(44)、TBS「家族ノカタチ」(日曜後9・00)に柳原可奈子(29)、日本テレビ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日曜後10・30)にマキタスポーツ(46)らが出演。

 TBS金曜ドラマ「わたしを離さないで」(金曜後10・00)には、アジアン・馬場園梓(34)が第3話(29日放送)から主演の綾瀬はるか(30)扮するヒロインの同級生役で登場する。

 馬場園を起用した飯田和孝プロデューサーは、芸人が役者として重宝される理由について「視聴者の方にとっては、ドラマによく出る俳優さんたちよりも真新しさがあるというのはまずありますね。『この人、どんな演技をするんだろう?』と興味が湧くことで視聴意欲が高まります」と分析。新鮮味を挙げた。

 続けて「あとは演技が安定していて、演技の予測が立ちやすいところです。芸人さんはステージに立ってコントをやるにしても、相手の演技を受けるだけではなく、お客さんの反応も同時に受けるじゃないですか。そうすると、今回のように複数人でのお芝居の時に、周りを見て演技をすることができる。話し相手だったり、環境との空気感や間を感じられるというのは、芸人の方だからこそ持っている柔軟な感覚だと思います」と芸人のポテンシャルを評価した。

 馬場園本人は「まぁ、美男美女ではない三枚目の役ができるということでしょうか。役者さんでも、もちろん、そういう役が素晴らしい方はたくさんいらっしゃいますが、よくは分からないですけど、芸人はプラス低予算で行けるんじゃないでしょうか?」と笑いを誘いながら「あ、でも漫才は“間”が命なんです。0コンマ何秒の狂いでウケなくなってしまいます。芸人として漫才をする中で、その“間合い”を人と測るという作業は普段からしているので、誰かになり切るという演技の部分は全然素人ですけど、会話の中での間合いみたいなのは、役者さんの邪魔にならないのではないかと思います」と話した。

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