土屋アンナ全面勝訴 甲斐氏の請求棄却 「中傷曲」で33万円支払い命令

[ 2016年1月25日 14:10 ]

土屋アンナ

 土屋アンナ(31)が主演舞台の稽古に参加せず公演が中止になったとして、監督の甲斐智陽こと高橋茂氏(64)が約3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、「甲斐氏には台本の権利関係をめぐって問題があり、土屋さんとの信頼が失われていた。稽古の不参加には正当な理由がある」として監督側の請求を棄却。また同時に審理されていた、甲斐氏が動画サイトで公開した歌で名誉を傷つけられたとして土屋が損害賠償を求めていた訴訟では、甲斐氏に33万円の支払いを命じた。

 土屋は2013年7月上演予定だった舞台「誓い~奇跡のシンガー」の主演が決まっていたが、稽古を続けて無断欠席。これにより、公演は開幕直前に中止が決まった。

 昨年11月の口頭弁論の際、出廷した土屋は「監督が原作者の承諾を得ていなかった。承諾書がもらえるまで稽古に参加しないことを監督も了承していた」「(原作にはない)主人公が死ぬかのようなラストシーンは、原作者が悲しむのではと違和感を覚えた」と説明。甲斐氏も出廷し「(土屋は)他の仕事でせりふを覚える時間がなく、舞台の仕事が嫌になったのではないか」と述べていた。

 原克也裁判長は「台本の内容が原作と異なっていたが、甲斐氏は原作者に事前に見せていなかった」と指摘。土屋さんはこうした事情を知り、甲斐氏への信頼を失っていたほか、仮に予定通り稽古に参加していたとしても、著作権の問題が生じて適法に公演を実施するのは困難だったと結論付けた。

 土屋は稽古の無断欠席を続けたとして甲斐氏から訴えられた後、甲斐氏が動画サイトで公開した歌で名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めて提訴しており、2つの訴訟は合わせて審理されていた。東京地裁は甲斐氏に33万円の損害賠償の支払いを命じた。

 甲斐氏は「言い分を一切聞き入れず、話にならない」と、控訴する方針。

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2016年1月25日のニュース