旧東独の世界的指揮者クルト・マズア氏死去 「無血革命」の立役者

[ 2015年12月20日 10:10 ]

 DPA通信によると、旧東ドイツの「無血革命」を成功させた立役者の一人とされ、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督などを務めた世界的指揮者クルト・マズア氏が19日、米コネティカット州グリニッジの病院で死去した。88歳。死因は明らかになっていないが、パーキンソン病を患っていた。

 1989年10月に激化した東ドイツの民主化デモで、武力弾圧を検討していたホーネッカー政権の方針に強硬に反対、デモ隊にも暴力の自制を求めた。デモは流血の事態を招くことなく同年11月のベルリンの壁崩壊、90年10月の東西ドイツ統一へと結実し、多くのドイツ国民から敬愛された。

 27年、シレジア地方(現ポーランド領)生まれ。第2次大戦後、当時の東ドイツのライプチヒでピアノや作曲、指揮法を学んだ。東ドイツ国内の楽団で指揮者を務めた後、70~96年に名門のゲバントハウス管弦楽団(ライプチヒ)のカペルマイスター(常任指揮者)、91~2002年にニューヨーク・フィルの音楽監督を務めた。

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団も率い「東のカラヤン」とも呼ばれた。妻は日本の声楽家偕子さん。(共同)

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2015年12月20日のニュース