湯川れい子 エルビスに魅せられて…結婚の証人に

[ 2015年11月22日 12:05 ]

湯川れい子さん

 「六本木心中」「恋におちて」などのヒット曲で知られる湯川れい子(79)が今年、作詞家生活50周年を迎えた。エルビス・プレスリーら世界のビッグアーティストとも親交を持ち、音楽評論家としても活躍中。この人の生きざまがまさに日本のポップスの歴史。思い出すまま、そのいくつかのエピソードを聞いた。(川田 一美津)

 湯川といえば、エルビス・プレスリーだ。エルビス旋風のきっかけは1956年の「ハートブレイク・ホテル」。ビルボード・チャート初の1位、突然、現れたこのスターの背景になぜか興味を引かれた。

 米国南部の貧しい農家の出身。ジャズを聴いていた彼女は、すぐにビリー・ホリデイの「奇妙な果実」を連想した。人種差別が根強く残っていた地域。その地で生まれ、幼少時代を過ごしたこの若者。「骨盤プレスリー」とやゆされた、ステージ上での激しい動きには、黒人のゴスペル音楽が大きく影響していることを知った。

 「実際に現地の教会を見て驚きました。牧師の説教とゴスペルで興奮した信者がバタバタと倒れたりするんです。何かスピリチュアルなものが降りてきて体をけいれんさせたりする。それが彼にも流れていると感じました」

 おなじみのジャンプスーツの高い襟も、もともとは聖職者の服をヒントにしたもの。華やかな表舞台の陰で「どうして僕は選ばれたのか」「なぜ僕は歌を歌うのか」と天に問い続けていたという。そんな不世出の「キング・オブ・ロック」に湯川はどんどん魅せられていった。

 73年、同じファンの男性とラスベガスで挙式、結婚の証人になってもらったのもエルビスだった。(敬称略)

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