32歳、志半ばで…黒木奈々さんが口にしていた「使命」

[ 2015年10月3日 11:15 ]

32歳の若さで亡くなった黒木奈々さん

 仕事への復帰を目指して、闘病していたフリーアナウンサーの黒木奈々さんが胃がんのため、32歳の若さで9月19日に他界した。

 昨年4月、NHKBS1「国際報道2014」のメーンキャスターに抜てきされ、夢をつかんだばかりだった。同年5月、NHKや所属事務所に「あの知的美人は誰?」との問い合わせが多数寄せられているという話を聞き、取材を申し込んだ。まさかあの時のインタビューが最初で最後になるなんて思わなかった。

 「小さなころ、“自分がキャスターになっていて、スタジオの中にいる”という工作をつくっていたみたいです。母に“あのころからアナウンサーになりたかったんだよね”って言われました。ずっとあこがれていたんだと思います。大学受験のころに、当時の卒業生がアナウンサーになる人が多かったという理由で、上智大に進むことも決めたんですよ」

 フリーアナウンサーになって7年で大きな仕事を任された。結果を出そうと張り切っていた、あの時の笑顔と弾む声を今でもはっきりと思い出す。

 黒木さんは上智大外国語学部フランス語学科を卒業後、毎日放送に入社。もともと志望していたアナウンサー採用試験には不合格だった。報道記者として社会人生活をスタートさせたが、夢をあきらめきれず、退社してフリーになった。インタビューでは、膨らむ希望と夢が全身からあふれていた。

 ただ休日の過ごし方を聞いた時、「疲れてずっと寝ています」とほほえんでいたのが気になっていた。休日も趣味に動き回るフリーアナウンサーが多い中で珍しいと思った。実際に重圧で疲れていたのかもしれないが、少し具合が悪かったのかもしれない。2カ月後の7月末に倒れ、9月に胃がんのため、休養することを発表した。その後は治療に専念し、仕事復帰を目指した。

 闘病中に「自分で若いからと思っていて健康診断を受けていなかった。受けることを勧めたい。そういうことを伝えるのが私の使命」と話していたと聞いている。

 今年1月に4カ月ぶりに1日限定で番組に復帰するという記事を掲載した際、黒木さん本人も励みにして喜んでくれたそうだ。3月30日からは週1回出演するまでに回復していたが、7月13日の出演を最後に再び治療に専念していた。

 あまりにも早すぎる死。著書「未来のことは未来の私にまかせよう」や闘病中のインタビューを読み、健康についてや、検査を受けることを考える人も出てきた。黒木さんが使命と感じていたことが多くの人の胸に響いている。(記者コラム)

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