川島なお美さん 7分7秒の“カーテンコール”で旅立つ

[ 2015年10月3日 05:30 ]

拍手で川島なお美さんの棺を乗せた霊柩車を見送る参列者

 9月24日に胆管がんのため54歳の若さで亡くなった女優の川島なお美(かわしま・なおみ、本名鎧塚なお美=よろいづか・なおみ)さんの葬儀・告別式が2日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。俳優仲間ら約900人のほか一般ファン約600人が参列。出棺の際、参列者は7分7秒にわたる拍手で送り出した。夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(49)は、川島さんが体にできた腫瘍を「いましめ君」と呼び、前向きに生きたことを明かした。

 出棺の際、鎧塚氏は「女房は拍手を頂けることが何よりの喜びで、生きがいでした。アンコールはございませんが、大きな拍手でお送りください」と、参列者へ呼び掛けた。鎧塚氏と川島さんの両親や親族、親族の一人に抱かれた愛犬のココナツが並んであいさつをした後、始まった拍手は7分7秒間、鳴りやまなかった。時間でいえば、カーテンコール約4回分。霊きゅう車が動きだすと、拍手は一層大きくなった。

 川島さんは闘病しながらも、舞台に立ち続け、9月16日に長野県伊那市で行われた舞台「パルレ」に出演したが、翌17日の朝に体調を崩して降板。その後、舞台には戻れなかった。

 鎧塚氏は「女房は最後の最後まで諦めなかった」とし、遺品を整理して見つけたメモの中身について明かした。昨年1月の手術の前日のもので「女優として可能性を広げ、進化、熟成するための今後の人生の糧になる試練を与えてくれた神様、いましめ君、ありがとう」と書かれていたという。

 そんな川島さんの姿について鎧塚氏は「ポジティブに前向きに生きていました。腫瘍でさえも“いましめ君”と呼んでいた」と振り返った。

 何物も憎まず、慈愛に満ちた生き方。参列した俳優の別所哲也(50)は「有名、無名は川島さんには関係がなかった。一緒に仕事をした人は分け隔てなく応援してくれた」と話した。通夜も葬儀も、著名人だけではなく、無名の俳優らも参列した。別れを惜しむたくさんの人の声を聞いた鎧塚氏は「女房は、私は次のステージのことを考えているよ、だからみんなも元気出して、と言っている気がします」と涙ながらに語った。

 ◇主な参列者 倍賞千恵子・小六礼次郎夫妻、林真理子、秋元康、湯川れい子、草なぎ剛、別所哲也、秋野暢子、松本明子、ウド鈴木、釈由美子、彦摩呂、吉田照美、永井大、はるな愛、錦野旦、肥後克広、小倉久寛、西川史子、神田川俊郎(敬称略、順不同)

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