川島なお美さんに今井雅之さんも…「五十にして天命を知る」とは言うものの

[ 2015年9月29日 12:00 ]

川島なお美さん

 あさってから10月。今年の秋も物悲しい。落語家の三代目古今亭志ん朝さんが肝臓がんのため亡くなったのが14年前の10月1日。まだまだこれからという63年の生涯に、「もったいない」と声に出したことを覚えているが、この人はもっと若い54歳。さぞや無念だったろうと胸が痛む。

 女優の川島なお美さんが9月24日に逝った。同7日に都内で行われたシャンパンの新商品発表会が最後の公の場となった。そこでの尋常でない“激やせ姿”に衝撃を受けた人も少なくなかったが、それからわずか17日後の悲報。早すぎる。

 発見が難しいといわれる肝内胆管がん。1月20日に死去した84年ロス、88年ソウル五輪柔道金メダリストの斉藤仁さんもこの厄介な病で、同じく54年の生涯を閉じた。

 川島さんは一昨年8月に受けた人間ドックで腫瘍が見つかり、昨年1月に12時間に及ぶ腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた。長年親交があったタレントの山田邦子(55)によると手術前に「余命1年」と宣告されていたそうだ。術後の経過は良好に見え、仕事も再開させたが、寛解には至らず。副作用でステージに立てなくなることを嫌い、抗がん剤投与ではなく民間療法を選択して病と闘ってきた。

 「女子大生DJ」「お笑いマンガ道場」「ワイン」「愛犬家」など、世代によって川島さんに抱く印象も変わってくるが、筆者にとっては渡辺淳一原作のドラマ版「失楽園」(97年)が鮮烈。谷崎潤一郎の小説をもとにした映画「鍵」(同年)も忘れられない。公開前には篠山紀信氏が撮影したコラボ写真集も発売され、今見ても美しい。

 「裸も衣装の一つ」とヌードも辞さない女優がいる。川島さんもそんなタイプ。「失楽園」のベッドシーンでは「子宮が呼吸できない気がする」と前張りなしで撮影に臨んだのは有名な話。やると決めたらとことん。ありのままをさらした。

 命を削るようにミュージカル「パルレ~洗濯~」の舞台に立ったが、9月16日の公演を最後に降板。精も根も尽き果てたのだろう。11、12月に予定した「クリスマス・キャロル」も断念せざるを得なかった。ついつい重ねてしまったのが舞台復帰を夢見ながら、果たせぬまま5月28日に大腸がんで逝った今井雅之さん。今井さんの享年もまた54。「論語」に「五十にして天命を知る」とあるが、時にむなしく響く。

続きを表示

「美脚」特集記事

「連続テレビ小説「なつぞら」」特集記事

2015年9月29日のニュース