食生活ジャーナリストの岸朝子さん死去 「料理の鉄人」で人気に

[ 2015年9月29日 05:30 ]

岸朝子さん

 テレビのバラエティー番組「料理の鉄人」に出演し、「おいしゅうございます」のコメントでお茶の間の人気を集めた食生活ジャーナリストの岸朝子(きし・あさこ)さんが22日に心不全のため東京都千代田区の病院で死去したことが28日、分かった。91歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。11月14日にお別れの会を開く。喪主は次男俊行(としゆき)氏。

 事務所関係者によると、夏の暑さで食欲が落ちたことから、家族が大事を取って7月中旬ごろ入院させた。点滴などを受けていたもののテレビを見たり、見舞いに来た身内らと話をするなど元気だった。今月中旬まで変わった様子はなかったが、21日未明に容体が急変。意識が戻らないまま22日午前3時16分に息を引き取ったという。

 棺には、入院する前に好んで着ていた紫色のスーツ姿で、95年に亡くなった夫の愛用品のほか、岸さんが大事に保管していた子供たちが幼い頃に書いた作文などが納められたという。

 的確な料理評論と気さくな人柄で、多くの料理人に影響を与えた岸さんは戦後、4人の子育てをしながら出版社で料理専門記者になった。大きなおなかを抱え、原稿に追われたこともあったが「食事だけはどんなときもきちんと作っていましたよ」と振り返ったことがある。

 「何か食べに行きましょうか」。仕事場に訪問客があるとよく食事に連れ出した。老舗の鶏料理店、道場六三郎さんの和食店など。行く先々に旧知の料理人がいて、雑談を交え、機会を逃さず取材を重ねた。生前のインタビューでは「おいしゅうございます」に込めた思いについて「負けた料理人への敬意と、食への感謝の気持ちを示したもの」と話していた。

 ◆岸 朝子(きし・あさこ)1923年(大12)11月22日生まれ。東京都出身。55年に主婦の友社に入社し、料理記者として活動。女子栄養大出版部に移り、雑誌「栄養と料理」の編集長を10年務めた。93年に「料理の鉄人」の審査員となり人気者に。オーストリアワインの普及活動などが評価され、99年にオーストリア政府からバッカス賞を授与された。座右の銘は「おいしく食べて健康に」。

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