芦田愛菜“人気子役”から“女優”へ ついに“恋バナ”飛んだ

[ 2015年9月16日 09:46 ]

芦田愛菜

 女優の芦田愛菜(11)の主演ドラマ「ラギッド!」がNHK BSプレミアムで再放送されている。父親の死去で、わずか10歳で町工場の社長に就任した少女が、詐欺グループにだまし取られた3億円を取り戻すため、高齢者と協力して立ち向かっていくストーリー。芦田は前田吟(71)、黒沢年雄(71)、岩城滉一(64)ら大先輩を従え、いつものように堂々の演技。冒頭、「人気子役の」ではなく「女優の」と書いたゆえんだ。

 これまでも、フジテレビの大ヒット作「マルモのおきて」(11年)や、赤ちゃんポストの描写が社会的関心事となった日本テレビの「明日、ママがいない」(14年)などに主演。SF大作映画「パシフィック・リム」(13年)で米ハリウッドにまで進出。その活躍ぶりは、説明する必要もない。

 いまや日本の大物女優となった芦田について、記者にはちょっとだけ胸を張れることがある。おそらく、日本で初めて芦田の単独インタビューをしたからだ。

 芦田が注目されるきっかけとなった、2010年放送の日本テレビドラマ「Mother」の撮影中のことだった。芦田はゴミ袋に入れられ放置されるなど虐待を受ける女の子の役で、自然な演技が視聴者の涙を誘っていた。当時の上司から「この子、かわいいじゃない。インタビューしてみたら」と言われ、申し込んだ。

 芦田、というより、愛菜ちゃんは当時5歳。インタビューは撮影の合間、都内の住宅街にあるケーキ店の一角で行った。愛菜ちゃんは店に入るなり、色とりどりのケーキが並んだガラスケースにべったりと張り付き、離れようとしなかった。日本テレビの宣伝担当者が手を引いて、ようやく席に着かせると、今度はあごをテーブルの上にのせて、記者を見てニッコリ。もちろん計算した笑顔ではなかっただろうが、見る者をいっぺんで引き込んだ。

 「ゴミ袋に入れられて、捨てられるシーンの撮影はどうだった?」と聞くと、「こんなことされたらどんな気持ちかな、悲しいなって考えながらやりました」と立派な返答。「しば漬けが大好き!渋いでしょ?」とおしゃまな言葉まで飛び出した。後日、かわいらしい写真とともに紙面に載った。

 活躍はするだろうと思ってはいたが、まさかここまでの女優に成長するとは、あのケーキ店でのインタビュー時には想像ができなかった。愛菜ちゃんの新作ドラマ、映画が決まるたびに「また大きくなったな」と、遠くから見守る“足長おじさん”のような気分でいる。

 そんな愛菜ちゃんに、先月、スヌーピーのアニメ映画のイベントで司会から「好きな人はいる?」の質問が飛んだ。「いないよ!」と即座に否定し、ニッコリ。そうか、愛菜ちゃんもついに“恋バナ”を尋ねられるようになったのか。芸能人として、女優として、また成長したわけだ。ケーキの前で走り回っていた5歳児の面影は、もうない。うれしくもあり、どこか悲しくもあった。

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2015年9月16日のニュース