七之助 父・勘三郎さん残した赤坂大歌舞伎開幕「777で大当たりを」

[ 2015年9月7日 17:05 ]

「赤坂大歌舞伎」開幕で取材に応じた中村七之助(左)と中村勘九郎(後列は左から坂東新悟と中村国生)

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(33)、中村七之助(32)が出演する「赤坂大歌舞伎」が7日、東京・赤坂ACTシアターで開幕。公演を前に勘九郎、七之助ら出演者が報道陣の取材に応じた。

 同公演は、2人の父・中村勘三郎さん(享年57)が2008年9月に「狐狸狐狸ばなし」でスタートしたもの。2年ぶり4回目となる今回の演目はいずれも古典の「操り三番叟(さんばそう)」と「お染の七役」。勘九郎は「やれることはすべてやりましたので、あとはお客さまに見てもらうだけ」と気合十分。「父がこだわっていたのは、小屋が違うだけで同じ芝居を見ても感想は違ってくるということ。赤坂は歌舞伎座だとかでやっている演出を変えずにできる貴重な小屋。同じ演出でも違って見えるのを楽しんでいただきたい」と話した。

 七之助も「父の残してくれた財産の1つ。父の霊を受け継いでやるだけ」と前を向いた。「操り三番叟」で軽やかさと力強さを兼ね備えた舞いを披露する勘九郎は「肩の力を抜いて、見られる演目。気軽に楽しんでいただければ。大変な踊りなんですが、操り人形ですから気持ちも軽やかにできたらいい」。「お染の七役」で12年の平成中村屋以来2度目の七変化に挑戦する七之助は「(坂東)玉三郎のおじさまに一番習った私の中でも自信を持ってやれる演目。稽古の時に教わったことを忠実に演じたい」と話した。

 早変わりも見どころだが「早変わりよりも、その人物をどう見せていくかが重要。早変わりを見せる演目ではないんです。ただ、赤坂は初めて歌舞伎をご覧になる方も多いので、早いに越したことがないかなと」と場所柄を考えてスピードにも気をつけていることを明かした。7日の初日に七之助が七変化するというまさに7が3つも重なる縁起の良さに「777(トリプルセブン)でジャンジャン大当たりしていきたい」と話し、笑わせた。
 父が残してくれた「赤坂大歌舞伎」に「いろいろチャレンジできる場だと思う。父に感謝してもし尽くせない。いろいろとチャレンジしたい」と勘九郎。「(今回の公演も)この前の公演が劇団☆新感線でロックが流れていて、次が三味線の音色っていうのは父も喜んでいるなと思う」と感慨深げだった。取材には、坂東彌十郎(59)、片岡亀蔵(53)、坂東新悟(24)、中村国生(19)中村鶴松(20)も出席した。

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