爆問田中&山口もえ結婚のスクープ記事がボツになった決定的理由

[ 2015年8月5日 10:30 ]

交際中の「爆笑問題」の田中裕二と山口もえ

 「爆笑問題」田中裕二(50)と山口もえ(38)の結婚報道があった先月末。日刊スポーツの一面に「やられた!」と思った。というのも、今年の元日付で用意していたネタだったからだ。

 もともと2人の交際を最初に報じたのはスポニチ。2013年の元日付で、2人が都内のイタリアンレストランなどでデートしていることを詳報。情報を得た当初はあまりに意外なカップルに驚いたが、取材を進めるうちに相当な真剣交際であることが判明。結婚までいく可能性が高いと判断し、取材を続けた結果、2人が「早く結婚したい」と思っていることを確認。一報からちょうど2年が経った今年の元日付で「結婚へ」と報じるまで材料はそろっていた。

 しかし、この正月版スクープは土壇場で“お蔵入り”した。当初から気になっていたのは、山口の子供の存在だ。4年前に離婚した前夫との間には2人の子供がいて、長女は小学生になっていた。実は2年前の熱愛報道の時点で、山口サイドとは厳しい折衝があった。交際と報じることのできる「事実」については認めているものの、その報道の仕方に対して強い要望があった。

 「若者同士の単なる熱愛ネタなら構わないが、お互いに離婚を経験し、片方に幼い子供がいる。非常にデリケートな問題を抱えていることを理解してほしい」

 我々のターゲットであるタレント本人の問題ではなく、報道で傷つく別の存在がいる。しかも、家族でゆっくりながめる正月版の記事。本紙の見出しは「爆問田中&山口もえ イタ飯デート」になり、熱愛や真剣交際といった文字は消えた。

 今年の正月版記事がボツになったのも、2人の結婚の意思は確認できた一方で、子供が「新たな父親」を受け入れる状況になったとはいえなかったためだ。そして、そこがクリアできない限り、結婚はできないという2人の強い思いがあり、そのために全身全霊で努力する固い決意があることを知った。

 いま「結婚」と書けば2人の努力に水を差す。でも、放っておけば他紙に抜かれる。動きがあるのは8月。昨年他界した山口の祖母の喪が明けるのが7月だった。

 「抜かれるとしたらニッカンだ」。部内の予測は的中した。タレントサイドと良好な関係を築いているからこそ様々なことが見えてくる一方で、先方と比較的距離があるからこそ突進できる時がある。今回その立ち位置にいたのがニッカンだった。取材対象との距離感。これはスクープを使命とする新聞記者にとって永遠のテーマである。

 2人は「一刻も早く結婚したい」と周囲に明かしている。しかし、思い通りに事は運ぶのか。現段階では誰にも分からない。ただ、2人の思いは必ず実ると断言できる。それが、この2年間の取材の結論だ。

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2015年8月5日のニュース