又吉 芥川賞「取れたらうれしい」も「受賞しても、先生とは呼ばないで」

[ 2015年6月21日 05:30 ]

堀本裕樹氏(右)との共著「芸人と俳人」の刊行記念トークショーを行ったピースの又吉直樹

 著書の中編小説「火花」が第153回芥川賞(日本文学振興会主催)の候補となったお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が20日、都内で行われたイベントに出席し、候補作発表後初めて公の場に姿を見せた。来月16日の選考会を前に「自信は正直ない」と控えめながら、「ぶっちゃけ、取れたらうれしい」と、文壇の金看板奪取に意欲を見せた。

 ノミネートの知らせは18日、タクシーの車中で担当編集者から受けたと話し、「編集の方に“文学振興会の方に代わります”と複雑な言葉を言われ、何も分からないから怒られるのかと思った」と振り返り、笑わせた。

 5月には三島由紀夫賞を1票差で逃した。一度肩透かしを食らっていることもあってか、芥川賞への自信を問われると、「何%というよりは、どういうふうに(審査員に)読んでもらえるかという期待と不安があります」とはぐらかした。でも、「僕の好きな作家の方が多く受賞されている賞。もちろん取れたらうれしい」と“リベンジ”の意欲をのぞかせた。
 10年に4位に入った漫才の大会「M―1グランプリ」を引き合いに「参加人数的にいえば、M―1の方が難しいのかな」と話しつつ「でも(芥川賞を)取りたいなら“取りたいぞー!”と叫べと言われたら、叫べないかもしれない。恥ずかしさが勝って」と、終始控えめキャラ全開だった。

 「火花」発表直後から出版社約15社からエッセーやコラムのオファーが殺到しており、売れっ子作家の風格すらあるが「受賞しても、先生とは呼ばないでください」と苦笑。でも、発表までの約1カ月をどう過ごすか聞かれ「願掛けはしない。構想も含めて、次の作品を書き始めたいですね」と強い意欲を見せた。

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2015年6月21日のニュース