秦基博 河瀬監督カンヌ出品「あん」主題歌語る、直感でピアノ作曲

[ 2015年5月26日 09:23 ]

直感的にピアノが合うと思った」と新曲について語る秦基博

 シンガー・ソングライターの秦基博(34)がこのほど、スポニチ本紙取材に応じ、6月3日発売の新曲「水彩の月」の製作秘話を語った。第68回カンヌ国際映画祭で上映された河瀬直美監督作「あん」(30日公開)の主題歌。映画「STAND BY ME ドラえもん」主題歌として昨年を代表する1曲となった前作「ひまわりの約束」に続くヒットが期待される。

 本編を観て書き下ろしたという新曲は「直感的にピアノの音が合うと思った」と、秦には珍しくギターではなくピアノで作曲。「映画が伝える“生きる事の意味”や、情景に込められたメッセージを自分なりにすくい取り、曲にした」という。

 出会いは2年前のツアー中で、奈良出身・在住の河瀬氏が、秦の楽曲に魅せられ奈良公演を鑑賞した。昨年12月には大阪のイベントで初共演し、曲と映像のコラボを披露。今年に入り主題歌を頼まれた。同曲のミュージックビデオは河瀬氏が監督し、奈良・春日大社付近の原生林で撮影。「現場は監督の散歩コースらしい。撮影が終わっても“やっぱり撮る”って2、3回撮り直した。作品にかける一途さに感激しました」と振り返った。

 前作「ひまわり~」はドラえもん好きの子供も含め、幅広い層にカラオケでも歌われる人気曲になった。「僕の曲は“カラオケで歌いづらい”とよくクレームをもらってたから、驚きです」と笑顔。前作のヒットを受け「同じ主題歌だけど映画のベクトルも全く違うので、新曲を書く上でプレッシャーは特になかった」としたが、新曲でも「前作の良さである言葉のシンプルさは受け継ごうと思った」という。前作とタイプは異なるが、切ない歌詞と美しいメロディーは健在のバラードで、大人の心をガッチリつかみそうだ。

 カップリングの「サインアップベイベー」はブラックユーモアに富んだロック曲。“sign up”は「契約する」の意で、「自宅のPCに音楽ソフトを取り込む時に、“規約を一読して…”って何回も同意させられて…(笑い)。面倒くさいなぁと辟易した時に詞を思い付いた」と明かした。前述曲や「アイ」「鱗」などの代表曲とは一線を画す毒気のある1曲。穏やかで優しげな雰囲気が漂う秦にも「穏やかな日もあれば、小ずるい毒を含む日もあります」と笑い、「別の顔を持つ曲を提示すると“結局、秦基博ってどういう人間?”ってなるでしょ?アルバムを聴いてみようと思ってもらえるきっかけになれば」と語った。

 親交のある先輩シンガー・ソングライターKAN(52)とのコラボによる「アイ」も収録。バラエティーに富んだ3曲で、秦の多彩な魅力が味わえる。

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